小説の続編の書き方!物語の続きを考える7つの発想法

小説の続編の書き方!物語の続きを考える7つの発想法
  • 小説の続編ってどうやって書けばいいの?
  • 物語の続きが思いつかない

そんな悩みを解決するために、小説の続編の書き方を解説します。

前作の読者の期待に応えたい。でも同じ展開は避けたいし、新しさも出したい…そんなジレンマに苦しんでいる創作者は多いはず。

この記事では、小説の続編を考えるための準備と、具体的な発想法を7つお伝えします。ぜひ参考にしてみてください。

目次

小説の続編の書き方!物語の続きを考える準備4ステップ

小説の続編を書くためには、前作の設定やキャラクターの変化をしっかり見直しておくことが重要です。

物語の続きを考える前にやっておくべき準備4ステップがコチラ。

順番に解説していきます。

前作のストーリーや設定を洗い出す

続編を書く前に、まずやるべきなのが前作の全体像をきちんと把握することです。

書いた本人でも意外と細かい設定や伏線を忘れてしまっていることが多いんですよね。

  • プロット
  • 各章の要約
  • 伏線メモ
  • 世界観の設定
  • キャラクターの変化

前作のプロットや設定をあらためて整理してまとめてみましょう。

特に注意したいのが、未回収の伏線とキャラ同士の関係性の変化です。

そこをおざなりにすると、続編で「あれ、設定矛盾してない?」と読者に思われてしまいます。

おすすめは「物語年表」を作ることです。出来事を時系列順に並べていくと、ストーリーの流れも自然と頭に入りますし、どこにスキマがあるのかも見えてきますよ。

三雲ハル

物語の骨組みとなる前提をしっかり確認しておくことで、続編のストーリーやキャラクターに矛盾が生まれなくなります。

キャラの現在地点と成長度を明確にする

続編でよくあるミスの一つが「キャラクターが前作と同じように動いてしまう」ことなんです。

でも現実世界と同じで、物語の中でも人は変化します。

前作の事件や体験を経て、

  • 主人公はどう変わったのか?
  • 何に気づきどんな価値観になったのか?

主人公が変化して成長した現在地点を考えることが続編のスタートになります。

ノートに「前作の開始時点」と「前作の終了時点」のキャラの状態を書き出して比較すると、成長の軸が見えます。

読者の感想を分析する

読者の声は続編をどう作るか考えるヒントの宝庫です。

前作を読んでくれた読者が「このキャラのその後が気になる」「このシーンもっと見たかった」と言ってくれていたら、それは続編のタネになります。

小説投稿サイトやブログのコメント欄、SNSでの感想など読者の反応をまとめてみましょう。

「作者が描きたいもの」と「読者が読みたいもの」が交差するポイントを見つけられれば、続編も自然と期待に応えたものになります。

ただし、すべてを読者の言う通りにする必要はありません。

あくまでも参考にして、自分の物語に合った形で反映させてくださいね。

使わない要素を洗い出す

最後にやっておきたいのが「続編で触れない要素」「使わない設定」「矛盾しそうなポイント」の洗い出しです。

たとえば、前作でちらっと出した設定が回収されてなかったけど、今作では触れないと決めたなら読者が混乱しないような対処が必要になります。

また、時系列や世界観にズレが出ないように、前作との整合性を丁寧にチェックしましょう。

おすすめは、前作と続編で「設定比較シート」を作ること。

キャラの年齢、街の構造、季節、イベントなどを書き出して、矛盾がないか見直せます。

このステップを踏んでおけば、書きながらと立ち止まることが激減しますよ。

小説の続編の書き方!物語の続きを考えるコツ

小説の続編を書く時に具体的にどう考えればいいのか、物語の続きを考えるコツを解説していきます。

登場人物の未来を想像する

あの物語が終わったあと、このキャラはどんな人生を送っているのか?」と想像することは物語の続きを考えるうえで最も自然な出発点になります。

特に前作のラストが「希望」「別れ」「喪失」「達成感」といった強い感情で終わっている場合、その感情の余韻が続編における重要な起点になります。

  • 前作で革命を起こした若者たちが、その後「革命の理想と現実のギャップ」に苦しんでいたら?
  • 世界を救った英雄が10年後にはただの中年サラリーマンになっていたら?その日常に何かが再び起きたら?

1つの小説が完結しても、キャラクターはその世界で生き続けているわけですから、未来を想像することで再び物語を描くことができます。

未来を想像する際は、次の3つの視点を軸にすると考えやすくなります。

  • キャラの目標や夢はどうなったか?
  • 新たな問題や敵はどこから来るのか?
  • 関係性は変化しているか?(恋愛、友情、家族など)

未来の生活に少し不穏な要素を加えるだけで、物語が自然に動き出しますよ。

舞台設定を変える

続編では思い切って舞台設定を変えることで、おなじみのキャラクターに新たな魅力を引き出すことができます。

キャラクターはそのままに環境を変えてみましょう。

  • 地理的な変化
    • 田舎→都会
    • 国内→海外
    • 地上→海中や宇宙
  • 社会的環境の変化
    • 学校→職場
    • 平和な日常→紛争地帯
  • コミュニティの変化
    • 家族→見知らぬ人々の中
    • 敵対組織の内部
  • 現実世界と異世界
    • ファンタジー世界への転移
    • バーチャル空間

たとえば、前作が「魔法学校での冒険」だったなら、続編では「一般社会で魔法を隠して暮らす苦労」や「未知の大陸での探検」。

田舎町の話だった前作のキャラを「都市部のシェアハウスに引っ越しさせてみる」など全く異なる環境でのストーリーが展開できます。

違う環境でキャラクターたちがどう振る舞うかを考えることで新たな可能性や課題が見えてくるはずです。

この発想法のポイントは「ルールの変化」です。

価値観が違ったり、コミュニティでの自分の立場が変わったり前作とはルールが変わります。

変化した環境でキャラクターがどう適応していくかを描くと続編としてドラマが濃くなりますよ。

世界観の作り方は以下の記事で解説しています。

季節を変える

物語の季節を変えるだけでも雰囲気やテーマが大きく変わります。

続きが思いつかないときは季節ごとの要素から発想してみましょう。

  • 春:桜、入学式、新年度
  • 夏:海水浴、花火大会、蝉の声
  • 秋:紅葉、ハロウィン、稲刈り
  • 冬:雪、クリスマス、初詣など

季節ごとに思いつく要素から続編のストーリーに使えるものはないか考えていきます。

たとえば「夏の海での青春物語」を「冬の山小屋に閉じ込められた状況」に変えると、同じキャラクター同士でも全く異なる関係性や葛藤が生まれるでしょう。

ファンタジーなら雪国を舞台にしたり、桜の精霊が守護する古代からの森林地帯など春夏秋冬をイメージした設定が発想できます。

前作の小説と季節を変えることで、雰囲気が異なり新鮮な物語として楽しめます。

キャラの立場や関係性を変える

続編で面白さを増す方法として、キャラクターの立場を変えてみるという方法があります。

前作では無力だった主人公が今作では指導者ポジションになっていたり、仲間だったキャラと立場が入れ替わっていたり。

関係性が変わると、同じキャラでも全然違った印象になります。

たとえば、前作で敵だった人物が今作では共闘する関係になるとそれだけでドラマが生まれますよね。

「どうしてそうなったのか」を描く過程も続編ならではの見どころです。

違うジャンル要素を混ぜてみる

前作のジャンルに新しいジャンル要素を混ぜると続編が考えやすくなります。

たとえば以下のような組み合わせ。

前作続編で混ぜる効果
学園青春サスペンス日常の中の非日常感、緊張感の強化
恋愛ファンタジー感情描写に世界観の深みを加える
バトル社会派ドラマ戦いの背景にリアルな問題を持ち込む

ジャンルの組み合わせによって「前作と同じだけどまったく違う」感覚を出すことができます。

ただ、ジャンルミックスは注意点もあります。

ジャンルが大きく変わってしまうと前作ファンが離れてしまうことも…。

ほのぼのした学園ものだから好きだったのに、ミステリー要素が入って楽しめなくなった。

前作のどんな要素が受けていたのか、読者の感想を分析したうえでジャンルを混ぜるべきか考える必要があります。

ジャンルごとの小説の書き方は以下のページにまとめています。

脇役を主人公にしたスピンオフを考える

スピンオフは続編とは少し違いますが、同じ世界を違う視点で掘り下げられます。

前作の中でも人気のある脇役を主人公にした物語を考えてみましょう。

たとえば前作が「魔法学校の天才少年の冒険」だったとしたら続編では、

  • 天才に嫉妬していたクラスメイト
  • いつも助けていた幼なじみ
  • 密かに主人公を応援していた教師

など、様々な視点から物語を描くことができます。

前作では気づかなかった出来事の裏側や、主人公の行動が他のキャラクターにどう影響したかを描くことで世界に奥行きが生まれます。

敵の視点から物語を考える

脇役を主人公にして続編を考える発想法の中でも、特におすすめなのが敵や対立者の視点で物語を考えること。

敵役のスピンオフや前日譚には以下のような映画があります。

  • 「マレフィセント」:「眠れる森の美女」の敵役マレフィセントを主人公にした作品
  • 「ジョーカー」:バットマンの宿敵ジョーカーの起源を描いた作品
  • 「クルエラ」:「101匹わんちゃん」の悪役クルエラの過去を描いた作品

敵側にも正義や信念があった——という展開は、善悪を相対化させて読者に「考える読書体験」を提供できます。

敵の背景を掘り下げると魅力的な物語になります。

  • なぜ悪の道を選んだのか?
  • 彼らの正義とは何か?
  • 善側の行動が実は“加害”になっていたのでは?

物語を反対の視点からなぞることで、世界観の立体感も増してシリーズ全体が一段上のテーマ作品に進化する可能性を秘めています。

敵の背景を知ったあとで改めて前作を読むと感情移入の仕方が変わってくるので、前作ファンの心を掴む続編になりますよ。

魅力的な敵の作り方は以下の記事で解説しています。

小説の続編の書き方!物語の続きを考えるコツ:まとめ

今回は、小説の続編の書き方を解説しました。

まずは前作の設定やキャラクターの変化を改めて確認しましょう。そして紹介した物語の続きを考えるコツを使ってその後を考えていて下さい。

  • 登場人物の未来を想像する
  • 舞台設定を変える
  • 季節を変える
  • キャラの立場や関係性を変える
  • 前作とは違うジャンル要素を混ぜてみる
  • 脇役のスピンオフを考える
  • 敵の視点から物語を考える

小説の続編を書くには、前作の延長としてだけではなく「別の角度」や「違う視点」から物語を組み立てると世界観が広がります。

未来を想像し、過去を掘り下げ、サブキャラに光を当てることであなたの物語世界はさらに広がっていきますよ。

この記事をシェアする
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

「物書きラボ」は、小説の書き方を初心者にもわかりやすく解説するサイトです。既存のノウハウだけではなく私が実践し試行錯誤を重ねた情報をお届けしています。記事内の例文は引用符で囲っているもの以外すべて自作したものです。

目次