「ダークファンタジー小説を書いてみたいけど、どう書けばいいかわからない…」
そんな方のために、この記事ではダークファンタジー小説の書き方をわかりやすく解説します。
- 前半:ダークファンタジーの定義とは?特徴や魅力
- 後半:世界観や設定、ストーリー展開やキャラクターを作るコツ
ダークファンタジー小説の「あるある要素」もまとめているので、ぜひ参考にしてみてください。
ダークファンタジーの定義とは?特徴や魅力は暗い雰囲気
まずはダークファンタジーとは何か、定義や特徴について解説していきます。
定義や特徴
ダークファンタジーとは簡単に言うと「暗く重いテーマを扱うファンタジー作品」です。
とはいえ明確な定義は定められていないため、普通のファンタジーとの違いを線引して分けることはできません。
伝統的なファンタジー要素(剣と魔法の世界、冒険の楽しさや英雄譚)だけではなく、人間の闇や絶望、悲劇や残酷な要素を描くことが特徴なんです。
暗い雰囲気が漂う
ダークファンタジーは通常のファンタジーに比べて、以下のような描き方をすることが多いです。
- 世界観が暗い
- 明確な善悪の区別がない
- 残酷な現実
- 希望の光が薄い
物語の舞台は暗黒の中世風の世界、終末世界、忌まわしい呪いに覆われた村など、光ではなく影が主役になります。
主人公サイドも理想のために手を汚す、信じる者に裏切られる、愛が破壊に変わる…といった展開が多いです。
ダークファンタジーは、ホラー要素や哲学的な問いを含むことが多く「人間とは何か」「正義とは何か」を読者に突きつけるのが最大の魅力です。
代表的な作品
ダークファンタジーとは何か、代表的な作品を紹介します。
- 漫画やラノベ
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- ベルセルク
- 進撃の巨人
- 鬼滅の刃
- デビルマン
- ゴブリンスレイヤー
- メイドインアビス
- 小説
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- ゲド戦記(グウィン)
- 新世界より(貴志祐介)
- デモナータシリーズ(ダレン・シャン)
- 氷と炎の歌(ジョージ・R・R・マーティン)
- ゲーム
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- ダークソウル
- エルデンリング
ダークファンタジーの代表作として世界的に有名なのは、ジョージ・R・R・マーティンの『氷と炎の歌』。
人間同士の欲望と裏切り、血塗られた政治劇、決して救われない登場人物たちが織り成す物語は、まさにダークファンタジーの真骨頂です。
日本なら、三浦建太郎の『ベルセルク』が代表格。
狂気に満ちた世界で、復讐と破滅に駆られる主人公ガッツの物語は、読者の心をえぐるような強烈さがあります。
どれも共通するのは「ただの暗さではなく、人間の生々しい感情や業が描かれていること」です。
ダークファンタジー小説の書き方!世界観や設定の作るコツ
ダークファンタジー小説を書く時に大切なことは、世界観や設定を作り込むことです。
独特の世界観さえ準備できれば、ストーリーやキャラクターも作りやすくなります。
ダークな設定を作るコツを解説していきます。
世界観やルールを決める
まず、世界の基本ルールを決めることは超重要です。
ダークファンタジーでは「普通の世界とは違う」という非日常感が物語の魅力になります。
たとえば、
- 魔法は使えるが、代償に身体が崩れる
- 人間は18歳を超えると化け物になる
- 太陽は年に一度しか昇らない
といった独自ルールを作ることでダークな世界観が生まれます。
ここで気をつけたいのはルールに「一貫性」を持たせること。都合よく変わる設定は読者の信頼を失います。
ノートや図解で世界のルールを書き出し、物語の中で矛盾が生まれないよう整理しておくのがおすすめです。
善悪を問うストーリー展開
ダークファンタジーにおける善悪は、白黒ではありません。
むしろ、登場人物の行動や動機が複雑で、どちらが正しいのか簡単には言えないのがこのジャンルの魅力です。
代表的な作品であげた「進撃の巨人」がわかりやすい例です
ネタバレになってしまうので詳しくは話しませんが、主人公サイドが必ずしも善とは言えない、どちらが正しいのかわからないストーリー展開の漫画です。
読んだことがない方はぜひ読んでみてください。
物語の中で「これは善か?悪か?」と問い続ける構造を作ると、作品は奥行きを増します。
通常のファンタジーでは主人公が人の命を奪うことは少ないですが、ダークファンタジーでは当たり前のように敵も味方も亡くなります。
登場人物に明確な信念を与え、行動原理をブレさせないようにすれば読者も感情移入しやすくなりますよ。
歴史と宗教の設定
ダークファンタジーの世界観に厚みを持たせるなら、歴史と宗教の設定は必須です。
- 今の世界がなぜこうなっているのか
- どんな事件や争いが昔あったのか
- 人々は何を信仰しているのか
これらの背景があると、キャラクターたちの言動に説得力が出てきます。
たとえば「かつて神が世界を滅ぼしかけたが封印された」という伝承があれば、現代の人々が神を恐れ、信仰の力が社会を支配している構図が自然に描けます。
物語の中で、伝説や逸話を登場人物の会話や物語の断片としてちらっと見せるだけで、世界の奥行きはぐっと増します。
細かい年表や系譜、宗教の教義などを事前に作っておくと執筆時に迷いが減りますよ。
絶望と希望の演出
ダークファンタジー小説では絶望の中に小さな希望を描くのがコツです。
全てが救われるわけではなく、ほとんどが失われる。
けれど、たった一つの思い出、仲間の言葉、約束の証……それが最後に主人公を支える。
この「小さな希望」の演出が、読者の胸を打ちます。
物語の展開として、クライマックス直前に最大の絶望を用意しそこから一筋の希望を見せる設計が効果的です。
キャラクターのトラウマと葛藤
ダークファンタジーの主人公は正義のヒーローではなく、もっと人間くさい存在です。
トラウマや弱さを抱えながらも葛藤しながら前に進もうとするキャラクターです。
- 家族を失った罪悪感
- 過去に裏切った仲間の記憶
- 正義感と復讐心のせめぎ合い
この心の影があると、キャラの選択や行動に重みが出ます。
物語の中でそのトラウマと向き合い、乗り越える(または飲み込まれる)ことで成長や破滅が描けます。
読者は完璧なキャラより、こうしたもがきながら進む姿に共感するんです。
あるある要素
ダークファンタジー作品にはよく見られる特徴やパターンがあります。
これらの「あるある」要素を把握しておくと、世界観や設定を作るときの参考になると思います。
- 世界観あるある
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- 長い歴史と複雑な背景を持つ世界設定
- 衰退しつつある文明や滅びた帝国の遺跡
- 太陽が弱く、常に曇りや霧、闇に覆われた風景
- 怪物や邪悪な存在が人々の日常に侵食している
- 腐敗した宗教組織や独裁的な権力者の存在
- キャラクターあるある
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- 過去にトラウマを抱える主人公
- 心に闇を秘めた英雄や反英雄
- 表面的には「悪役」だが、複雑な動機を持つ敵キャラクター
- 力を得るために何かを犠牲にした登場人物
- 主人公が徐々に闇落ちしていく
- ストーリー展開あるある
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- 予言や宿命に縛られる物語構造
- 一見すると「善」の行為が、予期せぬ悪い結果を招く皮肉
- 勝利の代償として何かを失う展開
- 単純な解決策が存在せず、どの選択も犠牲を伴う状況
- 最終的な成功や救済があっても、完全なハッピーエンドではない
- 描写表現あるある
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- 詳細で生々しい戦闘の描写
- 美しい風景と残酷な状況の対比
- 鮮やかな色彩表現と陰鬱な雰囲気の同居
- 超常現象や魔法のコストや代償の明確化
- 怪物や敵の外見描写における美と醜さ
これらの要素をうまくアレンジして独自の設定が作ってみてください。
ダークファンタジー小説の書き方:まとめ
今回はダークファンタジー小説の書き方を解説しました。
- ダークファンタジーの定義とは暗く重いテーマを扱うファンタジー作品のこと
- 代表的な作品は「進撃の巨人」や「ベルセルク」
- 暗い世界観や設定が魅力
- 善悪を問うストーリー展開
今回紹介した内容をぜひ活用して、あなただけのダークファンタジー小説を生み出してください。
