夢の中の書き方を解説!小説で夢の世界を表現する描写のポイント

小説で登場人物が夢の中にいるときにどう表現すればいいのか悩んだことはありませんか?

現実とは違う独特な世界や非現実感をどのように描写すればいいのか書き方のポイントを5つ解説します。

夢特有の曖昧さや感覚的な描写、象徴的な要素を活かして、読者を幻想的な物語の世界に引き込みましょう。

目次

夢の中の書き方!小説で夢の世界を表現する描写のポイント

小説で夢の中にいるシーンは、現実では表現できない独特の雰囲気を持つものです。

不思議な雰囲気を読者に体験させるチャンスで、うまく表現できれば物語がもっと魅力的になります。

夢の中のシーンを魅力的に描写するためのポイントを5つ解説します。

  • 夢の中の曖昧さを表現する
  • 感覚的な描写をする
  • 夢の世界であることを示す
  • あえて夢と現実をぼかす
  • 暗示や象徴を描写する

夢の中の曖昧さを表現する

夢の中は現実と違って、論理が破綻していたり矛盾があってもいい場所です。

三雲ハル

場所や出来事もメチャクチャなことがありますよね。

夢の中では場所や時間が突然変わったりします。この「曖昧さ」をそのまま小説に取り入れると、夢らしい雰囲気を作れます

たとえば、主人公が家の中を歩いていると、いつのまにか海の上に立っているような描写を入れると、読者も「これは夢だな」と感じられます。

ポイントは、あえてすべてを説明しないこと。物語の断片を読者に想像させる余地を残し、読者自身がストーリーを補完する楽しみがあると良いでしょう。

感覚的な描写をする

夢の中にいるということは、キャラクターは寝ているということです。

その状態では論理的な思考よりも感覚的な描写を描いたほうが、リアルな夢だと感じられます。

読者が夢の世界を想像しやすいように五感を使った表現や書き方をするのが効果的です。

例文

森の中を歩くと冷たく湿った土の感触が靴越しに伝わってくる。葉の間から差し込む月明かりがぼんやりと光り、遠くからはどこか懐かしい笛の音が聞こえてきた。

また、夢の中では矛盾した感覚もアリです。

「温かいのに冷たい」「暗闇の中なのに全てが見える」など、現実では起こりえないことを描くと夢らしさが引き立ちます。

夢のシーンを描くときは少し大胆なくらいがちょうどいいですよ。

夢の世界であることを示す

小説で今まで現実世界を描いていたのに、突然夢の中に切り替わると読者は混乱してしまいます。

はっきりと登場人物は寝ていて夢の世界に入ったことを示す一文を入れるとわかりやすくなります。

まぶたが重くなり、僕は眠りに落ちた。

気がつくと海が見える桟橋に僕は立っていた。記憶にない見知らぬ場所だ。

あるいは、夢の中とは言わずに描写したあとで「僕は目を覚ました」と書き夢の世界だったことを明かすという方法もあります。

先にわかるように書くか、後から明かすかは読者にどんな感覚を与えたいかによって使い分けると良いでしょう。

あえて夢と現実をぼかす

先の見出しで、夢の中であることをはっきり書いたほうがいいと解説しました。

しかし、小説によってはあえて夢の世界と現実の境目をぼかすことも効果的です。主人公がどちらにいるのか分からない状況を作ることで、読者もドキドキしますよ。

例文

目覚めた彼女の手には、夢の中で拾ったはずの銀色の羽根が握られていた。部屋の窓は閉じているのに、どこかから風が吹き込んでいる。

このように書くと、夢と現実がつながっている感覚を演出できます。

夢の出来事が現実にも影響を与えているかもしれないと思わせることで緊張感とミステリアスな雰囲気が出ます。

象徴を比喩で表現する

夢占いというものがあるように、夢の中で見た出来事や物には何かしらのメッセージがあると言われています。

たとえば夢の中で猫を見ると恋愛関係でトラブルがある暗示とされています。

(占いによって内容が異なるため、あくまでも一例です)

小説でも、夢の世界に象徴的なアイテムや場面を描いて物語の展開を暗示させるような使い方をすると奥行きが生まれます。

夢の中で見る巨大な時計が、主人公に迫るタイムリミットを暗示している」といった形で、象徴を何かの比喩に使ってストーリーに絡めてみてください。

その意味を読者が考えられるように描写すると、より印象に残る物語になります。

まとめ

小説で夢の中を書く時のポイントを5つ解説しました。

  • 夢特有の曖昧さを活かす描写をする
  • 五感を使ってリアルに感じさせる
  • 夢の世界であることを示す
  • あえて夢と現実の境界線をぼかす
  • 暗示や象徴を表現する

夢の中は現実とは違い論理的な整合性は必要ありません。そのため矛盾した感覚や出来事が起きても不自然になります。

むしろ現実では体験できない不思議な世界を描くことに意味があります。夢の中を書くことが小説に必要かどうかをしっかり見極めましょう。

テーマやその後の展開を暗示させるような象徴を描写したり、読者に何を伝えたいのか意識することが大切です。

今回紹介した方法を参考にして、幻想的で魅力的な夢の世界を書いてみてください。

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この記事を書いた人

「物書きラボ」は、小説の書き方を初心者にもわかりやすく解説するサイトです。既存のノウハウだけではなく私が実践し試行錯誤を重ねた情報をお届けしています。

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