小説の冒頭が思いつかない時に使える書き出しの書き方9選

小説の冒頭が思いつかない時に使える書き出しの書き方9選

小説の書き出しは、読者の心をつかむ大切な一文です。しかし「小説の冒頭が思いつかない」と悩んでいる方も多いと思います。

そこで今回は、小説の冒頭に使える書き出しのパターンを9つ解説します。

読者を物語に一気に引き込むための「つかみ」としてぜひ活用してください。

目次

小説の冒頭が思いつかない時に使える書き出しの書き方9選

出版されている小説や人気の小説を読んでいると、冒頭や書き出しのパターンがいくつかあることに気づきます。

ここでは読者の心をつかむための書き出しパターン9選を解説します。

  • セリフや会話から始める
  • 衝撃的な出来事から始める
  • 情景描写で雰囲気を伝える
  • 人物描写から始める
  • 主人公の独白から始める
  • 過去を回想する
  • 謎めいた一文から始める
  • 比喩や象徴を使う
  • 行動を描写する

例文とともに紹介するので、ぜひ参考にしてください。

セリフや会話から始める

小説の書き出しパターン1つ目は「セリフや会話から始める」です。

前置きがなく、いきなりセリフから始めることで読者はすぐに物語の中に入り込めます。

例文

「それ、本当にあの人がやったの?」と彼女は問い詰めた。

会話の内容やキャラクターの話し方で、性格や人間関係を自然と伝えることもできます。

ただ、会話ばかりが続いてしまうと状況がわかりにくいこともあるので、ある程度のところで地の文を織り交ぜて説明を入れていくのが良いでしょう。

例えば、「というような書き出しです。

衝撃的な出来事から始める

小説の書き出しパターン2つ目は「衝撃的な出来事から始める」です。

冒頭にインパクトが強い出来事を書くことで、読者を物語に一気に引き込むことができます。

例文

目の前で巨大な塔が崩れ落ちた。

驚きや危機感を読者に感じさせることで、続きを読みたいという気持ちにさせられればつかみはオッケーです。

ただし、過度にショッキングな内容は読者に引かれる可能性もあるので、物語全体のトーンに合ったものを選びましょう。

また、ありがちな失敗としてよくあるのが衝撃的な出来事を描いたあとに回想に入ってしまうことです。

せっかく緊張感を高めることに成功したのに、その出来事が起きるまでの回想に入ると冷めてしまいます。

そのままリアルタイムで物語を進めつつ、状況を説明していくようにしましょう。

情景描写で雰囲気を伝える

小説の書き出しパターン3つ目は「情景描写で雰囲気を伝える」です。

いままでの2つとは違い、インパクト勝負ではなく情景を読者にしっかり伝えていきます。

例文

霧が立ち込める静かな森の中で、鳥のさえずりだけが響いていた。

このパターンは、物語の舞台設定や雰囲気を読者にじっくりと伝えるのに最適です。

読者がその場にいるような感覚を持てるように、五感に訴える描写を意識しましょう。

人物描写から始める

小説の書き出しパターン4つ目は「人物描写から始める」です。

主人公や重要なキャラクターの外見や動きを描写する書き出しです。

例文

彼女の長い黒髪は、夜空のように輝いていた。

キャラクターの外見を描写することで、読者に強い印象を残せます。

変わった個性を持った主人公やキャラクターが物語のキーになる時に使うと効果的な冒頭のパターンです。

主人公の独白から始める

小説の書き出しパターン5つ目は「主人公の独白から始める」です。

主人公の感情や内面の独白を使うことで、読者を主人公の感情に引き込む書き方です。

例文

どうして僕はこんなに孤独なんだろう。周りには人がいるのに。

このパターンは、主人公の悩みや葛藤から始まることが多いので、物語のテーマを自然に示すことができます。

さらに読者が共通するような悩みを抱えている場合は冒頭から感情移入させることも可能です。

過去を回想する

小説の書き出しパターン6つ目は「過去を回想する」です。

過去を振り返る形の冒頭は、登場人物にとって人生の転換点になるような重要な出来事を描くときに効果的なパターンです。

例文

あれから10年が過ぎた。あの夏の日に私が下した決断が、その後の人生をどれほど大きく変えることになるのか、当時の私には想像もつかなかった。

  • 過去に何があったのか
  • 現在の主人公はどういう状況なのか

過去の回想から始まることで読者の中で疑問が生まれて、疑問を解消するために読み進めたくなります。

小説全体が過去の出来事を振り返るパターンもありますが、現在と過去を行き来しながら展開されることが多いです。

謎めいた一文から始める

小説の書き出しパターン7つ目は「謎めいた一文から始める」です。

すぐには意味が理解できないような一文や謎がある冒頭にして、読者の好奇心を刺激する書き方です。

例文

私が目覚めたとき、すべての時計は逆回りに動いていた。

「なぜ?」「どういうこと?」と読者に疑問を抱かせて、続きを知りたいと思わせる効果があります。

注意点としては、謎めいた要素は後の展開で必ず回収する必要があるということ。

冒頭の謎めいた一文が物語の展開としっかりつながっており、整合性がないと読者の期待を裏切ることになります。

ミステリーやファンタジーで効果的な書き出しのパターンです。

比喩や象徴を使う

小説の書き出しパターン8つ目は「比喩や象徴を使う」です。

詩的で印象的な比喩を使うと、物語のテーマや雰囲気を強調できます。

例文

  • 春の雨は、彼女の心を洗い流すように降り続けた。
  • 人生は割れた花瓶のように、修復できない傷跡を残すことがある。

小説のテーマを表すような比喩や象徴を冒頭で暗示させておきます。文学的な作品や独特の世界観を持つ小説に向いている書き出しです。

あまりにも比喩が難解だったり、物語の雰囲気とミスマッチしていると読者を遠ざける原因になります。

行動を描写する

小説の書き出しパターン9つ目は「行動を描写する」です。

キャラクターの行動や動きの描写で始めることで、物語の動きを感じさせます。

例文

  • 彼女は急ぎ足で階段を駆け上がりながら、何度も腕時計を確認した。
  • 彼女は古びたドアを押し開け、中へと足を踏み入れた。

具体的な行動描写をすることで、読者がシーンをイメージしやすく臨場感が生まれます。

そのキャラクター特有の動作や癖を描けば個性も表現できます。

舞台とキャラクターを同時に冒頭で描けるのでテンポよく物語をスタートさせることができるパターンです。

まとめ

小説の冒頭が思いつかないときに使える書き出しの書き方を9つ解説しました。

小説の書き出しには様々なパターンがあり、それぞれに独自の効果と特徴があります。

大切なのは、物語全体のテーマや展開に合わせてぴったりな書き出しを選ぶことです。

冒頭は物語の入り口であり読者を魅了する重要な要素です。自分の作品に合った書き出しを見つけ、創作活動に活かしていただければ幸いです。

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この記事を書いた人

「物書きラボ」は、小説の書き方を初心者にもわかりやすく解説するサイトです。既存のノウハウだけではなく私が実践し試行錯誤を重ねた情報をお届けしています。

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