小説の舞台になる地名は、物語の雰囲気を作り出したり、読者が物語に入り込みやすくなるための大切なポイントです。
地名の決め方としては2つのパターンがあります。
- 実在する地名を使う
- 架空の地名を考える
それぞれどのように考えればいいのか、メリットや注意点も含めて解説します。
小説の地名の決め方!実在する場所を使うメリットと注意点
小説の地名に実在の場所を使うとリアリティが生まるというメリットがあります。
しかし気をつけなければいけない注意点もあるのでしっかり確認しておきましょう。
実在の地名を使うメリット
小説に実在する地名を使うメリットは、物語がリアリティが生まれて読者が舞台をイメージしやすくなることです。
たとえば、東京の渋谷や大阪の道頓堀など名前を聞いただけでどんな街なのかパッと頭に浮かぶ地名がありますよね。
街並みやどんな人々が集まっている場所なのか、地名を聞いただけで頭に浮かぶので舞台説明を詳しく描写しなくても良いメリットがあります。
また実在する地名を使うと、そこで感じられる季節や地域の雰囲気も表現できて物語の空気感が立体的に伝わってきます。
京都が舞台の小説なら、古い街並みや神社などが出てきてその街ならではのしっとりした雰囲気が感じられます。
上手に地名の特色や歴史を物語に組み合わせられると、小説の深みが増して高い評価を受けやすくなります。
実在の地名を使う注意点
実在する地名を小説で使うときは、気をつけなければならないこともあります。
その地域に悪い印象がつくような内容を書くと問題になる可能性はあります。
- 地域ぐるみで悪事を働いている
- 市議会が汚職をしている
- さびれた危険な場所と書く
実在の地名を使うということは、実際にその場所に住んでいる人がいるということです。
その地に住んでいる人が不快に感じるような内容は書く場合は、架空の地名に変えたほうがいいです。
読者に悪い印象を与えないように、実在の場所を使うときは慎重にしましょう。
またネガティブな内容を書かなくても、実在するお店や施設、住んでいる人などが登場する場合はプライバシーに配慮する必要があります。
名前を変えるか特定できないようにするなどの工夫しましょう。
たとえば「有名なパン屋さん」や「観光地の広場」といったふうに、具体的すぎない表現にするとトラブルを避けやすいです。
リサーチ方法
実在の地名を小説に使うときは、正確に描くためにリサーチが欠かせません。
その場所に住む人々の生活や街並みをしっかり調べて描写することで、より現実味が増します。
リサーチ方法としては以下の2つがあります。
- 現地に行く
- ネットや書籍で調べる
もし実際にその場所に行けるなら街の雰囲気や季節の変化、地元の人々の様子などを自分の目で見て感じるのが一番です。
現地に行けないときは、ネットやガイドブックで情報を集めましょう。
たとえば地方自治体の観光ページにはその土地の文化や歴史、名所について詳しく書かれています。
またSNSで地名を検索すると、地元の人が投稿している写真や動画を見ることもできます。
観光サイトには載っていない地元の写真や話題も見ることができるので、新鮮な情報が得られますよ。
小説の地名の決め方!架空の地名を考えるコツ
小説の中で、架空の地名を作ると物語がオリジナルで独特な雰囲気を持つものになります。
自分で作る地名なら自由に名前をつけたり、その場所の文化や歴史も思いのままに描けるのがいいところです。
ここからは架空の地名を作るときのアイデアや、リアルに感じさせるためのテクニックを解説します。
架空でもリアリティが重要
架空の地名だとしても「本当にありそうだな」と読者に思わせることが大切です。
なぜなら地名にリアリティがないと物語全体が嘘っぽく感じてしまうからです。
小説はフィクションの世界ですが、「物語の中でリアリティ」があるかないかが重要になります。
そのため地域や時代背景に合わせた音の響きを意識しましょう。
地域や時代背景に合わせる
架空の地名を考えるときは、物語の舞台になる地域や時代に合わせると自然に感じられます。
たとえば、中世のヨーロッパっぽい世界が舞台なら、「エルシア」「レオナルド」など、少し古めかしい響きが合いそうです。
近未来のSF作品なら、「オメガシティ」「ゼータ区」など、科学的でシンプルな名前がマッチします。
また、実際にある国の言葉や地名を参考にするともっとリアルになります。
さらに地名に特定の意味を込めることで、その場所が持つ特別な役割や雰囲気を伝えやすくなります。
山が多い場所なら「〜山」「ヒル〜」のように、自然の様子を反映した名前をつけると物語に合った雰囲気を出せますよ。
舞台のモデルを決めて実際にある地名をもじると作りやすくなります。
文化や風土も考える
架空の地名がただの名前で終わらないようにするには、そこに住む人たちの「文化」や「歴史」「風土」をしっかり設定しておくと良いです。
たとえば、ある村が長いあいだ孤立していたとすれば、その村には自給自足で暮らしてきた文化や、独自のことばがあるかもしれません。
寒い地域にある場所なら、建物や服の素材、村のお祭りの内容までその地域らしい特色を入れるとリアリティが生まれます。
「ウィンターフォール村」という地名なら、厳しい冬に耐えてきた村人たちが支え合って暮らす文化があるかもしれません。
冬至を祝う特別なお祭りが開かれるなど、その地域ならではの背景が浮かんでくるはずです。
実在する地名と同じように背景を考えると、架空の地名が単なる設定ではなくリアルに感じられて、読者が物語に引き込まれやすくなります。
小説の地名の決め方:まとめ
小説の地名の決め方を実在と架空、2つの方法に分けて解説しました。
- 読者が舞台を想像しやすくリアリティが出る
- その土地に悪い印象を与えないように注意
- 現地やネットでリサーチ
- 架空でもリアリティを持たせる
- 地域や時代に合わせる
- 文化や風土も考える
実在でも架空でも、地名をただの設定で終わらせないために背景をしっかり考えて物語に活かせるようにしましょう。