小説を書くときに明確なルールや決まりというものはありません。
しかし読者に「下手な小説」だと思われてしまう、いくつかの共通点があります。
これらを知っておけばより良い作品を作る反面教師にできるので参考にしてください。
今回は下手な小説にありがちな特徴を7つと、改善方法をわかりやすくお伝えします。
下手な小説にありがちな特徴7選!説明しすぎや文章の失敗
下手な小説にありがちな特徴は以下の7つです。
- ストーリー構成が破綻している
- キャラクターに魅力がない
- 一文が長くて読みにくい
- 誤字脱字が多い
- 読者を想定していない
- 説明しすぎている
- 説明が少なすぎる
一つずつ詳しく解説していきます。
ストーリー構成が破綻している
下手な小説にありがちな特徴1つ目は「ストーリー構成が破綻している」ことです。
初心者作家の小説でよく見かけるのが、ストーリー構成の破綻です。
せっかく良いアイデアや魅力的なキャラクターがあっても、物語がしっかりしていないと読者を満足させることができません。
起承転結があいまいだったり、唐突な展開が多いと混乱を招きますよね。
具体例
- 重要な事件が十分な描写なしに一気に解決する
- キャラクター間の関係性が、説明もなく変わる
- 重要な設定が後付けのように唐突に登場する
ストーリーが行き当たりばったりになってしまうと、なんでもありになってしまうので読者は楽しめません。
解決策としては、基本的な起承転結などの構成に沿って事前にプロットを作っておくことです。
基本的なストーリー構成については以下の記事で解説しているので参考にしてください。
キャラクターに魅力がない
下手な小説にありがちな特徴2つ目は「キャラクターに魅力がない」ことです。
読者は登場人物に感情移入して小説を読み進めていきます。登場人物が魅力的じゃないと途中で読むのを辞めてしまう人もいるでしょう。
具体例
- 完璧すぎて葛藤や成長が描かれない
- 行動と性格が矛盾している
- メインキャラ以外がただの駒や背景になっている
小説の書き方でよく言われる「生きた人間を描こう」ということです。
物語を進めるための駒になってしまっていると感情移入できません。
過去や背景、行動の動機を丁寧に描くことでリアルな生きた人間を描けるようになります。
読者が感情移入できる主人公の作り方は以下の記事で解説しています。
一文が長くて読みにくい
下手な小説にありがちな特徴3つ目は「一文が長くて読みにくい」ことです。
だらだらと長い文章は読者を疲れさせてしまいます。
一文が長くなると、主語と述語の関係がおかしくなりがちでスムーズに理解するのが難しくなります。
具体例
太郎が急いで玄関のドアを開け、階段を駆け下りながらスマートフォンで彼女からのメッセージを確認し、バス停に向かって全力で走り出したものの、残念ながら目の前でバスが出発してしまった。
文章が読みにくい小説は読んでいて疲れてしまうので、どんなに物語が面白くても本を閉じてしまいますよね。
昔の海外文学が読みにくいのも、一文が長いことが原因だったりします。
改善方法としては、一文を適度に短くすることです。あまりにも短いとスカスカで薄っぺらく感じますが、長すぎるよりはましです。
特にエンタメ小説では読みやすさを重視してみましょう。
誤字脱字が多い
下手な小説にありがちな特徴4つ目は「誤字脱字が多い」ことです。
誤字脱字が多い小説を読んでいると、読者はそのたびに現実に引き戻されてしまいます。
出版されている本の場合は、プロの編集者が校正しているので誤字脱字はなかなかありません。しかし個人で書いているWeb小説だとたまに間違いがありますよね。
文章や言葉の間違いがあると、せっかく面白いストーリーを描いても世界観が壊れてしまいます。
解決策としては、以下のようなものがあります。
- 時間をおいてからチェックする
- 音読してみる
- 他人に読んでもらう
さらに、ツールを使って文章の校正をするのも有効です。
読者を想定していない
下手な小説にありがちな特徴5つ目は「読者を想定していない」ことです。
自分だけが読む趣味で書いている小説なら、読者を考えなくても問題ありません。
しかしサイトで公開したり出版を目指しているなら独りよがりに書いてはいけません。
書き手の自己満足だけで書かれた小説は、読者の心を掴むことができません。
どんな読者に読んでほしいのかを意識することでより共感を得られる小説になります。
読者を想定するといっても、自分が書きたいものを抑えたり読者受けを狙うことではありません。
書きたいことをどうすればより良く伝えられるかを考えるということです。
読者の立場でストーリーや文章を俯瞰する視点を忘れないようにしましょう。
説明しすぎている
下手な小説にありがちな特徴6つ目は「説明しすぎている」ことです。
読者はキャラクターが生きているストーリーを読みたいわけで、物語の説明を読みたいわけではありません。
情報を説明的に語るだけでは、読者を飽きさせてしまいます。
よくあるのが、冒頭で世界観やキャラクターの説明がダラダラ長く続いている小説です。
設定をしっかり伝えたくなる気持ちはわかりますが、説明が続くと退屈になってしまい最後まで読み進めてくれません。
必要な説明は一度に全て行わずに、ストーリーに合わせて自然に伝えられるように描写しましょう。
描写を意識する際は、五感を使った表現をすると効果的です。視覚、聴覚、嗅覚などを織り交ぜて描くことで、文章に臨場感が生まれますよ。
説明が少なすぎる
下手な小説にありがちな特徴7つ目は「説明が少なすぎる」ことです。
先程の「説明しすぎ」の反対で説明が少なすぎるのもよくありません。
キャラクターがどこで何をしているのか、今いる部屋がどんな状況なのか説明がないと読者が空間を想像できません。
闇の中で人間が動いているだけになってしまいます。
改善方法としては5W1Hを意識することです。
- When(いつ)
- Where(どこで)
- Who(誰が)
- What(何を)
- Why(なぜ)
- How(どのように)
時間帯や場所、誰がなぜこんな行動をするのかを説明します。
ただし、前述したように説明しすぎるのも下手な小説の特徴です。情報の重要度によってどれくらい説明するかを変えましょう。
場所などの説明は一文でも伝わります。
例文
錆びた鎖の軋む音が響く廃れた児童公園で、男は朽ちかけたベンチに沈むように腰を下ろしていた。
一方で、メインキャラクターの行動の動機など重要な情報は丁寧に描写して、読者に伝わるようにしましょう。
まとめ
下手な小説にありがちな特徴7選を解説しました。
- ストーリー構成の破綻
- 魅力がないキャラクター
- 一文が長くて読みにくい文章
- 誤字脱字が多い
- 独りよがりで読者を想定していない
- 説明しすぎている
- 説明が少なすぎる
ストーリーの矛盾や、キャラクターの魅力は小説を書き始める前にしっかり構成しておくことで改善できます。
文章の書き方は経験を積む必要があるのですぐに読みやすい文章にするのは難しいかもしれません。しかし誤字脱字は推敲することで修正できるのでしっかりやっておきましょう。
また説明はどれくらいするかバランスが大切になります。読者の視点を意識しながら、下手な小説と言われないように読みやすくて面白い小説を目指しましょう。