小説の中でテレビのニュース報道や新聞記事を描写する場面があります。
しかし「どのように書けば自然になるのか?」「どのニューススタイルが作品に合うのか?」と悩むこともありますよね。
この記事では、新聞記事とテレビニュースの2つに分けて書き方をテンプレートや例文を使って解説します。
小説内のニュースの書き方!原稿テンプレート文章の基本
小説の中でリアルなニュースを書くための方法について解説します。
- ニュース原稿のテンプレート
- 5W1Hを意識する
- ニュースっぽい文章
ニュース原稿のテンプレート
ニュースの基本構成を理解すると、小説の中でリアリティのあるニュースを描くことができます。
ニュース原稿は基本的に「逆三角形」のテンプレートにそって書かれています。
構成を以下の3つのパートに分けることで情報が伝わりやすくなります。
構成 | 説明 |
---|---|
導入(冒頭) | 最も重要な情報を簡潔に伝える(5W1Hを含める) |
本文(詳細情報) | 背景や経緯を補足し、具体的な証言やデータを盛り込む |
補足情報 | 関連するデータや専門家の意見を追加 |
これは最も重要な情報を最初に書き、その後に詳細や背景を加えていくテンプレートです。
まずは冒頭で、ニュースの結論やまとめをサクッと伝えます。
新聞記事の見出しになる部分やテレビニュースで画面下にテロップで表示される部分です。

- 導入
- 10月15日、永田町に突如UFOが現れ宇宙人が目撃されました。
- 本文
- 目撃者によると光る物体が急降下した後、小柄な存在が確認されました。現場の防犯カメラにも不明な飛行物体が映っています。
- 補足情報
- 専門家は「科学的には説明困難」とし、さらなる調査を求めています。過去にも類似の報告があり注目が集まっています。
例文のように事実を積み重ねる形で書くとより本物のニュースらしくなります。
5W1Hを意識する
ニュース原稿の構成テンプレートにそって、どんな要素を書けばいいのか内容について解説します。
ニュース記事では「5W1H」の要素を明確にすることが基本です。
- Who(誰が):ニュースの登場人物
- What(何を):起こった出来事
- When(いつ):日時
- Where(どこで):場所
- Why(なぜ):理由や動機
- How(どのように):起こったプロセスや方法
さきほどの「宇宙人襲来」のニュースを例にすると以下のような感じ。
- いつ:10月15日午後2時頃
- どこで:東京都千代田区永田町、国会議事堂付近の上空
- 誰が:多数の目撃者、専門家
- 何が:UFO出現、小柄な人影の目撃情報
- どのように:物体はホバリングした後、急降下して姿を消す
- なぜ:不明だが既存の飛行物体である可能性は低いとの見方
5W1Hを意識することで、情報が整理されて正確なニュース原稿になります。
ニュースっぽい文章
ニュース原稿には、小説や普段の文書とは違う独特の文体やルールがあります。
以下のポイントを押さえると本物らしいニュースを書けますよ。
- 客観的な文体を使う(主観的な表現は避ける)
- 一文を短くし、簡潔にまとめる
- 「~によると」「~と発表した」と情報源を明記する
- 難解な言葉を避け、誰でも理解できる表現を使う
ニュース文章の基本は、事実を簡潔にわかりやすく伝えること。
「こう思った」という主観的な考えは書かずに客観的な事実だけを書くようにしましょう。
小説内のニュースの書き方!新聞記事やテレビ報道の例文
小説内のニュースの書き方を2つの媒体に分けて解説します。
新聞記事とテレビニュース、それぞれの特徴を理解して小説に適した形で書いてみましょう。
ニュースの種類 | 特徴 |
---|---|
新聞記事 | 文字主体で事実関係を詳しく説明する。公的な発表や専門家のコメントが多い。 |
テレビニュース | 映像と音声で伝えるため視覚的なインパクトが強い |
新聞記事の書き方
ニュースの中でも新聞記事は、事実を淡々と伝えるスタイルが特徴です。
以下のポイントを意識すると、小説でもリアルなニュースに感じられます。
- 逆三角形の構成:重要な情報を最初に伝え詳細を後に続ける
- 客観的なトーン:記者の主観を排除し事実のみを淡々と記述する
- 正式で簡潔な表現:「だ・である調」で淡々と書く
たとえば、新種の花の発見を新聞記事風に書くと以下のようになります(架空のニュースです)。
富士山麓で新種の花「フジモノカキ」が発見される。
山梨県の研究チームは20日、富士山麓にて新種の花を発見したと発表した。この花は「フジモノカキ」と命名され、青紫色の花びらが特徴である。研究チームによると、標高1,500メートル以上の限られた環境でしか生息しない可能性がある。今後の調査で詳細な生態が明らかになる見通しだ。
新聞記事の場合は「ですます調」ではなく「だ・である調」で書きます。
テレビニュースの書き方
テレビニュースでは、文章だけではなく映像ありきなので、視聴者が状況をイメージしやすい表現が重要です。
テレビニュース風の書き方のポイントは次のとおりです。
- 話し言葉に近い文体:書き言葉よりもアナウンサーが話すような口調を意識する
- 映像を意識した描写:「画面には」「映像には」といった表現
- 短く区切る:一文を短くしリズミカルに伝える
最初にスタジオのアナウンサーが概要を話した後に、映像でリポーターが詳細を話すパターンが多いです。
たとえば、宇宙人襲来をテレビニュース風に書くと次のようになります(架空のニュースです)。
アナウンサー「続いてのニュースです。本日、東京都内の永田町でUFOの目撃情報が寄せられました」
リポーター「ここ永田町で午前10時頃、突如として光る物体が空から急降下し、その後小柄な存在が確認されたということです。目撃者は驚きと興奮を隠せない様子で現場は一時騒然となりました。専門家によると、今回の事件は『科学的には説明が難しい』とされています」
アナウンサー「今後の詳しい調査結果が待たれます。それでは次のニュースです」
実際にニュース番組を見ているような流れを意識するとリアルなテレビニュースらしくなります。
小説内のニュースの書き方:まとめ
小説におけるニュースの書き方を解説しました。
- 原稿は逆三角形のテンプレートにそって書く
- 5W1Hを含めるとリアルになる
- 新聞記事は事実を淡々と伝えるスタイル
- テレビニュースは視覚的な描写を意識する
小説にニュースを取り入れることで、物語のリアリティを高め読者をより惹きつけることができます。
新聞のように冷静に伝えることで物語の世界観を支えることもできますし、テレビニュースのように臨場感を加えて読者を引き込むことも可能です。