小説の戦闘描写の書き方!アクションシーンにスピード感を出す方法

小説の戦闘描写の書き方!アクションシーンにスピード感を出す方法

小説の戦闘シーンを描くとき「もっと迫力を出したい」「スピード感を出したい」と思ったことはありませんか?

アクション小説ではスピード感や臨場感をいかに表現するかが重要なポイントになります。

ただ戦いの動きを並べるだけでは単調になりがちです。

そこでこの記事では戦闘描写を魅力的にするためのテクニックを解説します。

この記事の内容
  • 小説の戦闘描写の書き方!アクションシーンの基本
  • スピード感を出す3つの方法
目次

小説の戦闘描写の書き方!アクションシーンの基本

小説の戦闘シーンの書き方を解説します。

  • シーンの状況を伝える
  • 戦闘の目的を意識する
  • 五感を使った描写
  • 戦闘描写がすごい小説

読者にとって分かりやすく、臨場感のあるシーンを描くには「何をどう伝えるか」の意識が大切です。

シーンの状況を伝える

戦闘シーンを書くときに一番大切なのは、読者が今どんな場面なのかを理解できることです。

たとえば「剣を振るった」と動作だけを書いても、位置関係や目的が伝わらないと混乱してしまいます。

  • キャラがどこに立っているのか
  • 誰と向かい合っているのか
  • どんな目的で戦っているのか

まず意識したいのは、キャラクターがどこに立っていて誰と対峙しているのか。

これがあるだけで、読者は頭の中に戦場の地図を描けるようになります。

また、動きの順序を時系列に沿って書くことも重要

読者は映像を追うように物語を読むので、飛んだり戻ったりすると一気にテンポが崩れてしまいます。

「斬りかかる→受け止める→押し返す」といった流れを意識して、時間軸を丁寧に描きましょう。

戦闘の目的を意識する

キャラクターがなんのために戦っているのか、戦闘の目的を意識して書くことも重要です。

  • 誰かを守るため
  • 敵から逃げるため
  • 敵を倒して進むため

目的によってキャラクターがどんなアクションをするのか、選択肢が変わってきます。

逃げるための戦いなら、積極的に攻めるより守りながら隙を作ろうとする動きになるでしょう。

敵を倒すためなら、フルパワーで技を繰り出すかもしれません。

そのため、戦闘シーンの根底にある目的をしっかり意識することで自然なアクションが描けるようになります。

五感を使った描写

戦闘シーンの臨場感を読者に伝えるためには、五感を意識した描写が大切です。

例えば、次のような表現を取り入れてみましょう。

  • 視覚:剣の刃が太陽の光を反射し鋭く輝いた
  • 聴覚:金属と金属がぶつかる甲高い音が響く
  • 触覚:拳が頬にめり込み鈍い痛みが広がる
  • 嗅覚:血の鉄臭さが鼻をついた
  • 味覚:口の中にじんわりと鉄の味が広がる

こうした五感を織り交ぜることで、戦闘シーンがよりリアルになります。

戦闘描写がすごい小説

戦闘シーンの参考になる戦闘描写がすごい小説を紹介します。

  • 冲方丁『マルドゥック・スクランブル』
  • 船戸与一『山猫の夏』
  • 福井晴敏『亡国のイージス』
  • 山田風太郎『柳生忍法帖』
  • 和田竜『村上海賊の娘』
  • 夢枕獏『餓狼伝』シリーズ
  • フレデリック・フォーサイス『ジャッカルの日』

時代ものを描いている小説家は戦闘やアクションシーンが上手い印象があります。

小説の戦闘描写の書き方!スピード感を出す方法

  • 一文を短くする
  • 緩急をつける
  • 情報量のバランス

一文を短くする

小説の戦闘描写は、一文の長さをコントロールすることでスピード感や間をもたせることができます。

短文を使うとテンポが速くなり、長文を使うと余韻が生まれます。

この違いを使い分けるだけで、同じ内容でも印象がまったく変わるんです。

拳が飛ぶ。避ける。鋭い蹴りが横腹をかすめた。

このように、短い文を並べると緊迫感が増します。

逆に、一文を長くするとスピード感はなくなりますが一撃の重みが伝わります。

渾身の力を込めて刃を振り下ろした。

読者が息をのむような戦闘を描くために、短文を重ねてリズムよく文章を区切るのがコツです。

文章の長さはリズムそのものです。息をつかせぬテンポが自然とスリルを生みます。

緩急をつける

短文で書くとスピード感はでますが、短文だけだと読者はつかれてしまいます。

そこで、あえて長文を入れたり間を作る静かな描写を入れて緩急をつけましょう

  • 二人は息を呑んだまま動かない
  • 風の音だけが響く
  • 敵の呼吸が聞こえる気がした

こうした間の描写があると戦闘に抑揚がつきます。

間はリズムの休符のようなもの。ずっと速いテンポで書くと、読者は戦闘の山場を感じにくくなります。

静かな緊張を描くと張り詰めた空気が伝わり、次の動きがより鮮明に浮き上がるんです。

情報量のバランス

戦闘描写でよくある失敗は情報が多すぎて何が起きているか分からないこと。

全部を説明しようとすると読者は頭の中で処理しきれなくなります。だからこそ、重要な情報だけを選んで書く取捨選択が大切です。

戦闘中に必要なのは「どこで」「誰が」「何をした」の3つ。

この3要素を意識するだけで描写がスッキリしてテンポよく伝わります。それ以外の細かい装備や背景などは、戦闘が始まる前に説明しておくのがベターです。

小説の戦闘描写の書き方!スピード感を出す方法:まとめ

小説の戦闘描写の書き方を解説しました。

  • 短文を活用してスピード感を演出する
  • 静と動の対比を使って緊張感を生み出す
  • 情報量のバランスをとる

小説の戦闘シーンを魅力的に描くためには単にアクションを並べるのではなく、リズムや表現の工夫が欠かせません。

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この記事を書いた人

「物書きラボ」は、小説の書き方を初心者にもわかりやすく解説するサイトです。既存のノウハウだけではなく私が実践し試行錯誤を重ねた情報をお届けしています。記事内の例文は引用符で囲っているもの以外すべて自作したものです。

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