2ちゃんねるのスレッドのように物語が進んでいく「掲示板形式小説」の書き方について解説します。
この記事では掲示板形式の基本的なポイントや、具体的に書くためのステップをお伝えします。
「なんか面白そう」「でもどうやって書けばいいか分からない」という方にぴったりの内容です。
掲示板形式小説の書き方!基本的なポイント
掲示板形式小説の書き方について、まずは基本的なポイントを解説していきます。
- 掲示板形式とは?
- 普通の小説とは違う書き方が必要
- 掲示板形式が嫌いな人もいる
掲示板形式とは?
掲示板形式の小説とは、まるで「2ちゃんねる」や「なんJ」などのネット掲示板でスレッドが立てられ、そこにいろんな人が書き込んでいるかのようなスタイルの小説です。
普通の小説とは違って、登場人物たちが「スレッド内の住人」として会話を繰り広げていく感じなんですよね。
しかも、文章の9割がセリフだったりするのでテンポがすごく大事です。
地の文は最小限にしてキャラ同士のやりとりで物語を動かす、そんな特徴があるのが掲示板形式なんです。
いわば「チャット感覚の小説」って思ってもらえるとわかりやすいかもしれません。
普通の小説とは違う書き方が必要
掲示板形式の小説は、普通の小説を書き慣れている人にとっても書くのは難しいと思います。
なぜなら独自の言葉遣いや、やりとりがあるから。
たとえば、スレ主の書き込みには「>>1」みたいなアンカーがついていたり、レスが「草」「w」で笑いを表現していたりします。
このネット特有の言葉遊びがあるので、リアルな掲示板形式の小説を書くのは難しいです。
一方で他のスタイルでは描けない魅力があります。
スレ住人たちが匿名で本音を語りあったり、ボケとツッコミが自然に飛び交ったりする感じが、めちゃくちゃ面白いんですよ。
あと、読者にとっても「スレを読むように進められる」からラノベや純文学よりも気軽に読めるんですよね。
「ながら読み」ができるのもこのジャンルの強みで、通勤中や休憩中にもサクッと読めるってところが人気の理由のひとつです。
掲示板形式が嫌いな人もいる
掲示板形式の小説が嫌いという読者の声も一定数あります。
書き手としては理由が気になりますが、以下のようなポイントが嫌われる要因になっています。
- 誰が話してるのか分かりにくい
- 文体が雑すぎて読みにくい
- オチがなくて「で、結局なに?」ってなる
- ネットスラングや略語が多すぎる
こうした意見は、裏を返せば「書き方次第でどうにでもなる」ということなんです。
キャラの口調に個性をつける、スレ内で登場人物の立ち位置を明確にする、しっかり起承転結を意識する、このあたりを意識すれば読みやすく好かれる掲示板小説になります。
では具体的にどのように書いていけばいいのか、4つのステップを解説していきます。
掲示板形式小説を書き方!4つのステップ
掲示板形式小説の書き方を4つのステップに分けて解説します。
- キャラの人数と口調を決める
- 世界観を練る
- テンプレートでスレの流れを設計
- 読者のリアクションを想像する
キャラの人数と口調を決める
最初にやるべきは「キャラクター設定」です。
掲示板形式では、名前のない「名無しさん」たちが登場することも多いですが、それでもそれぞれのキャラに「らしさ」を持たせることが大事です。
そのためには、キャラの人数と話し方をしっかり決めるところから始めましょう。
人数は3~5人くらいがベスト。多すぎると誰が誰か分からなくなってしまいますし、書く側も管理が大変になってきます。
掲示板のスレを立ち上げたスレ主とリアクションをする数名に分けて考えると作りやすくなります。
それぞれのキャラには「話し方のクセ」を持たせると、ぐっと区別がつきやすくなりますよ。
- スレ主の話をまとめて進展させてくれる
- 皮肉的にツッコミを入れる
- ボケたり謎の解釈をするネタ枠
掲示板形式はキャラの顔が見えない分、誰の書き込みなのか分かると読みやすさに直結します。
世界観を練る
掲示板形式の小説はスレ主が「何を語るのか」という物語がメインになります。
その物語にちゃんとした「世界観」があると説得力がぐっと増します。
世界観設定では、次の3点を考えてみましょう。
- スレッドが立てられている「板」はどんな場所か
- 例:なんJ、オカルト板、VIPなど
- スレの話題のジャンル
- 例:怖い話、実録系、恋愛相談、実況系など
- 登場人物たちはどんな立場か
- 例:被害者、傍観者、語り手など
このあたりを押さえると、書くときのブレが減ります。
たとえば「深夜のオカルト板に立てられた、不思議な体験スレ」なんて設定だと、自然とキャラの口調や展開にも緊張感が出てきますよね。
スレの中に書かれていない背景があると読者の想像力を刺激できます。
テンプレートでスレの流れを設計
小説には「起承転結」がありますが掲示板形式でもこれに近い流れをざっくり作っておくと、めちゃくちゃ書きやすくなります。
掲示板形式の小説は以下のテンプレートに沿うと良いですよ。
- スレ主の導入(スレ立て理由、最初のエピソード)
- スレ民の反応(共感、ツッコミ、煽りなど)
- 次々と展開する出来事(伏線、驚き、緊張感など)
- スレ主の心境の変化や事件のクライマックス
- 終わり方(突然の結末、まとめレス、まとめ人の登場など)
すべてをがっちり固めなくても「ここからここまでで盛り上げよう」みたいな区切りを作っておくだけでも、書きやすさが全然違います。
スレッドの基本的な流れをおさえて設定しておきましょう。
読者のリアクションを想像する
最後のステップは「読者目線で考える」ことです。
掲示板形式の小説の面白さは、読みながら「ツッコみたくなる」瞬間や、「なにそれ」と笑える瞬間にあると思うんです。
なので、書くときは必ず「このレスに読者はどう反応するかな?」と想像してみましょう。
感情の揺れや共感、驚きやちょっとした恐怖などを意識すると読みごたえのある小説になります。
スレ主の投稿に対して、読者の気持ちを代弁するようなレスを返すキャラを1人作っておくと読者が自然に没入できるようになりますよ。
掲示板形式小説の書き方:まとめ
今回は2chのスレッドのように物語が進んでいく掲示板形式の小説の書き方を解説しました。
掲示板形式小説は、普通の小説とは全く違う書き方をしなければいけないので、慣れていないと難しいスタイルです。
しかし自由度が高いので上手く書けるようになるとオリジナリティあふれる作品が作れるようになります。
「まずは短めに1スレ分だけ書いてみる」くらいの軽い気持ちで始めてみると、意外とスルスル筆が進むものです。
ぜひこの記事を参考に、あなたの物語を掲示板の世界で自由に描いてみてくださいね。