エタるとは、Web小説やゲーム制作で作品が未完のまま永遠に更新されないことを意味する言葉です。
元ネタや語源はゲーム制作界隈からきていますが、現在では「小説家になろう」などの投稿サイトの作品に対して使われることが多いです。
今回はエタるの意味や元ネタ、なろうにエタった小説が多すぎる理由を解説します。
エタるの意味や語源とは?元ネタはゲームの制作界隈
エタるという言葉は、Web小説界隈で使われることが多いですが、元ネタは「RPGツクール」などのゲーム制作界隈からきています。
- エタるの意味や語源は?
- 元ネタはゲーム制作界隈
エタるの意味や語源は?
エタるとは「Webで連載していた小説が未完のまま更新されなくなる」ことを意味する言葉です。
語源は英語のエターナル(Eternal)。エターナルは「永遠の」という意味の英単語で、「永遠に完成しない作品」という状態を指して使われています。
意味としては実質的に打ち切りと同じですが、エタると言われる作品は作者が終了の宣言をしていないことが特徴です。
作者が「完結できない」と正式に発表することなく、ある日突然更新が止まってしまうケースが多いです。
そのため表向きは更新途中ですが、事実上の未完ということになります。
エタるという言葉は、以下のような場面で使われます。
- この小説1年以上更新がないし、エタったね
- 更新頻度減ってるからエタりそう
- この作者よくエタるから要注意
作者自身が自虐的に「最近忙しくてエタりそう」と言うことがありますが、批判的なニュアンスの言葉なので他人に使うのは辞めたほうが良さそうです。
元ネタはゲーム制作界隈
エタるという言葉は現在では「小説家になろう」などのWeb小説界隈でよく使われていますが、元ネタはゲーム制作界隈で使われていた言葉です。
2000年頃、RPGツクールなどを使ったゲーム制作が流行し多くのアマチュアがゲームを作っていました。
「エタる」の元ネタは『エターナルファンタジア』というプロジェクトに由来します。
このプロジェクトはディアスという人物が20人以上のメンバーを集めて「エターナルファンタジア」というゲームを作ろうとしたものです。
しかし1年たってもほとんど進展することなく、未完のままゲーム制作は終了しました。
この状況は当時の2ちゃんねるでも話題になりネタにされていました。その中で「未完のまま作品が終わること」をゲームタイトルにかけて「エターナる」という言葉が生まれました。
「エターナる」がしだいに略されて「エタる」となり、小説家になろうなどでWeb小説界隈でも使われるようになりました。
小説家になろうにエタる作品が多すぎる理由
Web小説界隈でも、特に「小説家になろう」では、途中で更新が止まる作品が非常に多く、未完のまま放置されるというゲーム制作と似た状況が生まれました。
これにより「エタる」という言葉が小説投稿界隈でも一般的に使われるようになったのです。
読者の間では、「エタる作品が多すぎる」という不満の声もあります。なぜすぐにエタってしまうのでしょうか?よくある理由を解説します。
- 作者が続きを書ける環境ではない
- モチベーションの低下
- 人気が出てプレッシャーを感じたから
- 別の作品を書きたい
- 小説の続きが思いつかない
作者が続きを書ける環境ではない
小説の執筆活動は作者の私生活に大きく影響されます。
Web小説は出版を目指している作者がいる一方で、趣味で書いている人も多いです。そのため執筆の時間が取れなくなるとそのままエタってしまうことがあります。
- 仕事や学業が忙しくなり時間がなくなる
- 家庭の事情で執筆が難しくなる
- 作者が亡くなってしまいエタる
特にWeb小説の作者はプロではなく本業の合間に執筆していることが多いため、急に更新が止まることも珍しくありません。
モチベーションの低下
小説を書くモチベーションは読者の反応によって大きく左右されます。
- 低評価が多くてやる気をなくした
- 読者の反応が薄く続ける意欲がわかない
- 他の作品と比べて、自分の作品が伸びずに落ち込む
Web小説では読者のブックマーク数やコメントの多さが作者のやる気につながります。
もし反応が少なかったり、批判的なコメントが多かったりすると執筆意欲が下がり更新が止まってしまうことがあります。
SNSでたまに「更新されていない小説に感想書いたらめちゃめちゃ更新されるようになった」という投稿がされていることがあります。

好きな作品にコメントがついていなかったら感想を書いてあげると作者のモチベーションが上がりますよ。
人気が出てプレッシャーを感じたから
意外かもしれませんが、作品が人気になりすぎるとそれがプレッシャーとなり執筆が止まってしまうことがあります。
「小説家になろう」などのサイトでは、ランキングに入ることで一気に読者が増えます。すると、読者の期待に応えようとするあまり筆が進まなくなってしまうことがあるのです。
- 次の展開を失敗したらどうしようと不安になり書けなくなる
- もっと面白くしなければと感じてしまう
- 書籍化の話が生まれ、自由に書けなくなる
作品が人気になることは良いことですが、その分読者の期待が大きくなります。過剰なプレッシャーを感じてしまい結果的にエタることもあります。
また書籍化が決まると、出版社との調整が必要になるためWeb版の更新が止まるケースもあります。これは「書籍化エタ」と言われています。
別の作品を書きたい
創作意欲がある人ほど新しいアイデアがどんどん浮かんできます。
その結果、途中まで書いた小説を放置して新しい作品に取り組みたくなることがあります。
- 新しいアイデアのほうが魅力的に感じる
- 複数の作品を同時に書いていたが、人気のあるものに集中する
- 思ったより伸びなかったので、別の作品で再挑戦したくなった
特に「小説家になろう」では習作として何本も書いている人がいるので、1つの作品が当たれば作者はそちらに集中して執筆します。
そのため他の連載がエタってしまうのです。
小説の続きが思いつかない
最初はスムーズに書けていたのに、途中でストーリーの展開が思い浮かばなくなり行き詰まってしまうこともあります。
- プロットを作らずに書き始めた
- 伏線を張りすぎて自分でも収拾がつかなくなる
- どう締めくくればいいのかわからなくなる
特に長編作品では、ストーリーが複雑になりすぎると、作者自身が続きを考えられなくなってしまうことがあります。
プロットをあまり考えずに書き始めた作品ほど、このパターンに陥りやすいです。そのため、最初にある程度の展開を決めておくことが大切です。
エタるの意味や元ネタは?なろうに多すぎる理由:まとめ
小説やゲーム制作界隈で使われる言葉「エタる」の意味や元ネタを解説しました。
- エタるとは、作品が未完のまま更新停止すること
- 語源は永遠を意味するエターナル
- 元ネタはゲーム制作界隈の「エターナルファンタジア」
- 原因は作者の環境変化やモチベーション低下、プレッシャーなど
- 小説家になろうではエタる作品が多すぎると言われている
作者目線でエタを防ぐためには、現実的な目標設定と進捗管理が大切です。
読者目線で好きな小説がエタらないためには、作者のモチベーションが上がるような感想を書くことが一番だと思います。