小説が上手い人にはどんな共通点があるのか特徴を5つ紹介します。
この記事では「ストーリー構成が上手い」などの技術的な部分ではなく、「観察力がある」などの素質について解説しています。
素質と聞くと生まれつきのもので後から鍛えられないと思われがちですが、日常生活の中で伸ばせるものばかりなので参考にしてください。
今回は小説が上手い人の特徴5選とそれらを鍛えるための方法をまとめました。

ストーリー構成や文章の書き方など技術的なノウハウは、当サイトの他の記事で解説しているのでぜひお役立てください。
小説が上手い人の特徴5選!才能を持つ人の素質や鍛え方
小説を書くのが上手い人にはいくつか共通する特徴があります。
単に文章が綺麗なだけでなく観察力や語彙力、想像力などが組み合わさることで魅力的な物語を生み出しているのです。
今回紹介する5つの特徴は以下の通りです。
- 観察力が鋭い
- 語彙力がある
- 想像力が優れている
- 他者の視点で考えられる
- 独自の視点を持っている
1つずつ詳しく見ていきましょう。
観察力が鋭い
小説が上手い人の特徴1つ目は観察力が鋭いこと。
小説を書くうえで観察力はとても大切なスキルです。
なぜなら、現実世界で起こるさまざまな出来事や人の仕草、話し方を細かく観察することでリアルなキャラクターやストーリーが生まれるからです。
表面的に見えるものだけではなく、裏に隠された感情や動機を読み取ることもできます。
たとえば、誰かが笑っているときでも、その笑顔の奥に隠された悲しみや不安を読み取ることができれば深みのあるキャラクターや心理描写ができますよね。
また、観察力が鋭い人は日常のありふれた瞬間から物語の素材を発見できます。
街角での一瞬の出来事、電車の中での他人の会話、カフェでの人々の振る舞いなど、普通の人なら見過ごしてしまうような細部に注目し、物語の素材として昇華させられるんです。
日常の中にある小さな違和感や、普段は見過ごしてしまうような些細な出来事に目を向けてみましょう。
普段の生活の中で「なぜ?」と考えるクセをつけて人や物を見てみると表面上では気付けない部分を素材として拾えますよ。
語彙力がある
小説が上手い人の特徴2つ目は語彙力があること。
小説は漫画やアニメのように絵で伝えられないので、語彙力がなければ、伝えたいことを的確に読者に届けることができません。
語彙力がある人は、複雑な感覚を一語で的確に描写できます。
「疲れた」と言いたいときでも、「くたくたになった」「気力が抜けた」「足が棒のようだ」など微妙なニュアンスの違いを使い分けて具体的に伝えられます。
どんなに優れた設定やアイデアを思いついても、的確に描写できる語彙力がなければ良い作品は生まれません。
ただ勘違いしてはいけないのは、難しい言葉を使うことが良いわけではありません。読者層やジャンルにおいて適切な表現を選ぶことが大切です。
語彙力を鍛えるには、意識して知らない言葉を使うことが大切です。
- 本や記事を読む時に知らない言葉をメモする
- 気になった言葉を使って文章を作ってみる
- いつもと違う表現を試してみる
類語辞典を活用するのも効果的です。同じ意味でも微妙にニュアンスが違う言葉を知ることで、より的確な表現ができるようになります。
想像力が優れている
小説が上手い人の特徴3つ目は想像力が優れていること。
小説を書くには現実には存在しない世界や、実際に経験していない出来事を描く力が求められます。
読者をその世界に引き込むためにリアリティのある想像力が必要です。
想像力があれば物語のアイデアを生み出すこともできます。
たとえば「もし江戸時代にスマホがあったら?」「動物が人間を飼っていたら?」といった設定を考えることで、オリジナリティのある物語が生まれます。
想像力を鍛えるには、いろんな世界観にふれることが大切です。
知っている世界観が狭ければ想像の幅も広がりません。思考を柔軟にして発想を膨らませてみましょう。
- 様々なジャンルの本を読み、いろんな世界観に触れる
- 自由に空想を楽しむ時間と場所を日常に作る
- 小説や映画の続きを自分なりに考える
他者の視点で考えられる
小説が上手い人の特徴4つ目は他者の視点で考えられること。
小説ではいろんな価値観や考え方を持つキャラクターが登場します。作者の価値観だけが描かれていては物語が生まれません。
そのため、自分とは違う価値観を理解することがとても大切になります。立場や状況が違えば同じ出来事に対しても考え方や行動が変わってきます。
主人公が冷静で理論的なタイプだったとしても、感情的な友人や、現実主義者の家族など様々。
性格だけではなく思想や価値観は十人十色です。
自分とは異なる立場や価値観を持つキャラクターを描けるようになると、物語の奥行きが増して、より魅力的な小説を書くことができますよ。
他者の視点を理解する力を鍛えるには、普段からいろいろな人の話に耳を傾けることが大切です。
- ニュースに対する様々な反応をSNSで調べる
- 自分と反対の価値観を持つ人の話に批判せずに耳を傾ける
- 映画やドキュメンタリーを通じて多様な人生に触れる
- 小説の登場人物が「なぜこんな行動をしたのか」考える
特に自分と相反する考え方を理解する姿勢は重要です。
独自の視点を持っている
小説が上手い人の特徴5つ目は独自の視点を持っていること。
他人の視点で考えることも大切ですが、自分にしかできない独自の視点で考えることも必要です。
小説家にとって、独自の視点を持つことは大きな強みになります。ありふれたテーマでも、新しい切り口で描くことで、読者に新鮮な物語を届けられるからです。
たとえば村上春樹は、日常のありふれた瞬間に独自の視点で超現実的な要素を入れて現実と非現実の境界を曖昧にした物語を作っています。
川上弘美は、些細な日常の描写の中に人間の繊細な感情の機微を鮮やかに描き出す、真似できない視点を持っています。
独自の視点を持つには普段から「当たり前」を疑うことが大切です。
- 常識や既存の価値観に疑問持つ
- ニュースに対して独自の視点でコメントしてみる
- 自分の内なる違和感や直感を大切にし、それを深く掘り下げる
まとめ
小説が上手い人の特徴を5つ解説しました。
- 心理や物語の素材を見つける観察力
- 的確に表現する語彙力
- 世界観を構築する想像力
- 他者の視点で考えられる
- 独自の視点を持っている
小説が上手い人は、テクニックだけではなく日常生活で社会を見つめる視点や考え方が他の人とは違います。
これらは生まれ持ったセンスというわけではなく、意識して鍛えられるものです。