「ラノベは読書と認めない」と言われたことはありませんか?
一部でそのような意見を持っている人がいるようです。ラノベは文章がやばい、頭が悪くなるなど読む価値がないという風潮まであります。

しかし、それらの意見は間違っていると思います。
今回はラノベは読書と認めないと言われる理由をまとめたあと、それに対する反論を解説していきます。
「ラノベを読んでいるけど、読書と言えるのかな?」と迷っている人は、ぜひ最後まで読んでください。
ラノベは読書と認めないと言われる理由
まずは、ラノベは読書と認めない派の人たちはなぜラノベを嫌っているのかその理由を見ていきましょう。
- イラストに頼っている
- 文章がやばい
- 頭が悪くなる
イラストに頼っている
ラノベには、本文の中にイラスト(挿絵)が使われていることがよくあります。
「小説なのに絵があるなんて、まるでマンガみたい」と思う人もいるかもしれません。
確かに純文学や一般小説で文章を読んでいる途中でイラストが挟まれることはめったにありませんよね。
ラノベの場合はイラストがあることで。読者が世界観をイメージしやすくなったり、キャラクターに感情移入しやすくなったりするメリットもあります。
特に本をあまり読まない人にとっては、文字だけの小説よりもとっつきやすく感じられるはずです。
しかし小説の醍醐味は「文章による描写や表現で読者に想像させるもの」という考えがあるため、ラノベは読書と認めないという意見が出てしまいます。



イラストによる補足があるとはいえ、文章を読んで物語を楽しむという点ではラノベも立派な読書の一つではないでしょうか。
文章がやばい
ラノベを読書と認めない理由に「文章がやばい」という意見があります。
たとえば以下のような意見。
- 会話文が多い
- 感情表現が陳腐
- 地の文の言葉遣い
ラノベは会話だけで物語が展開していくことがよくあります。
感情表現も「嬉しい」や「悲しかった」などシンプルな表現だけで終わることが多いです。そのため複雑な心情や心を動きが伝わってきません。
地の文は一人称でも書き言葉で書かれるのが普通です。しかしラノベだと「マジでありえない状況だった」のような話し言葉で書かれています。
これらの特徴は「読みやすい」というメリットがありますが、文章表現としての深みや工夫が少なくなりがちです。
だからこそ一般小説と比べて「文章がひどくて読書とは言えない」と思われることがあるのかもしれません。
ラノベの場合は読者層が若い世代なので難しい表現を使うよりも読みやすさを優先しているためこのような意見が出てしまうのだと思います。



文体がライトだからといって、決して内容が薄いわけではありません。
頭が悪くなる
「ラノベを読むと頭が悪くなる」という考えの人がいるようです。
「読書は知識や教養を深めるものだから、ただの娯楽は読書ではない!」というだいぶ偏った考え方です。
ラノベは文学作品のように重いテーマや芸術性はないかもしれません。でも、読書の目的は人それぞれです。
しかしこれらの意見には明確に反論できます。
何かをするから頭が悪くなるのではなく、勉強しないから馬鹿になる。
簡単な話で勉強しないから頭が悪くなるだけで、ラノベを読むと頭が悪くなるわけではありません。
裏を返せば、夏目漱石のような文学作品を読めば頭が良くなるわけでもないのです。
1日中ラノベを読んで勉強をしなければ学業の成績は下がります。しかしよく考えてください。ラノベの部分を他のものに変えても同じことです。
1日中野球をやって勉強しなければ学業の成績は下がる。同じことなんです。



だから「ラノベを読むと頭が悪くなる」という意見は単なる戯言なので気にする必要はありません。
ここからは具体的にラノベは読書として勝ちがある理由を解説していきます。
ラノベは読書と認めない人たちへの反論
「ラノベは読書と認めない」人たちは一定数いますが本当にそうでしょうか?
本を開いて活字を追、物語を楽しむ、それが読書ならラノベも立派な読書の一つではないでしょうか。
ここからはラノベを読書として認めるべき理由について考えていきます。
- 読書好きになるきっかけ
- 読解力や想像力が鍛えられる
- 興味が広がる効果
- 「読書はこうあるべき」という考えは邪魔
- 楽しみ方は人それぞれ
読書好きになるきっかけ
「読書は大事」とはよく言われますが、いきなり難しい本を手に取るのはなかなかハードルが高いですよね。
ラノベはその点でとても入りやすい読書の入口になっています。
文章がシンプルでテンポが良く、イラストもあるので活字に慣れていない人でもスラスラ読めます。
特に中高生にとっては「初めて最後まで読めた本がラノベだった」という人も多いのではないでしょうか。



最初は「楽しいから読む」でいいんです。
そこから「もっといろんな本を読んでみよう」と思えたら、それだけで大きな一歩ですよね。
「子供のころはラノベを読んでいたけど、成長するにつれて一般小説を読むようになった」という方は多いと思います。
もしラノベを読んでいなければ読書好きにならず、大人になっても小説を読まずにいるかもしれません。
ラノベが「活字を読むことの楽しさ」に気づかせてくれる存在だとしたら、それだけでも十分に価値があると思いませんか?
読解力や想像力が鍛えられる
「ラノベばかり読んでいても読解力はつかない」と言われることがありますが、本当にそうでしょうか?
文章を読み登場人物の気持ちを想像し、物語の展開を考える、これらはすべて読解力や想像力を鍛えるトレーニングになっています。
たとえばファンタジー系のラノベを読むと、架空の世界観や独自の設定を理解しながら読み進める必要があります。
「この国の仕組みはどうなっているのか」「このキャラはなぜこんな行動をとるのか」と考えながら読むことで、自然と読解力が身についていきます。
読書の価値は「難しい言葉を知ること」だけではありません。



ラノベのように、物語を通じて想像力を育むことも大切な読書の力なのではないでしょうか。
興味が広がる効果
一冊の本がきっかけで、新しい興味が生まれることってありますよね。
「この作品、異世界の話だけど中世ヨーロッパの文化に影響を受けてるらしい。じゃあ、実際の歴史も気になるな」
みたいな感じで、読書の世界が広がることもあります。
ラノベであっても内容に興味を持ち、いろんなことを知りたい知識欲が出てくるかもしれません。
だから「どんな本を読むか」より「読むこと自体に意味がある」と思いませんか?
「読書はこうあるべき」という考えは邪魔
「ラノベは読書と認めない」とか「文学作品を読まないと価値がない」とか、そんなことを言われた経験がある人もいるかもしれません。
でも、そんな固定観念が読書をつまらなくしてしまうこともあります。
本を読むのが義務みたいに感じてしまったら、せっかくの楽しみが半減してしまいますよね。
実際、学生時代に「読書感想文を書かなきゃいけないから、とりあえず読まなきゃ」と苦しんだことがある人も多いのではないでしょうか。



大学入学時に「必読書100選」みたいなリストを渡されて難関な本を上辺だけなぞって読んだ経験が私もあります。
読書はもっと自由なものです。「これが正しい読書」という考え方に縛られすぎると本を読むこと自体がつまらなくなってしまいます。
好きな本を好きなタイミングで自由に楽しめるのが読書の醍醐味ではないでしょうか。
楽しみ方は人それぞれ
結局のところ読書の楽しみ方に正解なんてありません。
「知識を得るために読む人」もいれば、「物語の世界に没頭するために読む人」もいます。
読むスピードも違えば好きなジャンルも人それぞれ。紙の本が好きな人もいれば、電子書籍で読むのが好きな人もいるでしょう。



自分に合ったスタイルで本の世界を楽しめれば、それが最高の読書ではないでしょうか。
ラノベも文学作品もどちらも立派な読書です。どんな本を読むかよりも、本を読むこと自体を楽しめるかどうかが大切なのかもしれませんね。
だから、気になった本があればジャンルにこだわらずどんどん読んでみましょう。
読書はもっと自由でいいし、それぞれの楽しみ方があっていいのです。
まとめ:ラノベも立派な読書
ラノベは読書と認めない意見とそれに対する反論をお伝えしました。
- イラストに頼り、文章がやばいので頭が悪くなると言われる
- しかし読書習慣をつけるきっかけになる、興味が広がる効果がある
- 読解力や想像力を鍛えるのにも役立つ
- 「読書はこうあるべき」という固定観念に縛られる必要はない
読書の形は人それぞれで、何を読むかよりもどのように楽しむかが大切です。
難解な本を読んでも理解できなければ知識にはならないし楽しめもしないので、今の自分が理解できて楽しめる本を読めばいいんです。
成長するにつれて読書の好みも変わって、いわゆる「文学」と呼ばれるような小説を読み出すかもしれません。
今の自分がラノベを楽しんで読んでいるなら、無理して難しい小説を読もうとしなくていいと思います。読書はもっと自由でいいのです。