ミステリー小説の書き方5つのステップ!初心者が推理小説を書くコツ

ミステリー小説の書き方5つのステップ!初心者が推理小説を書くコツ

今回はミステリー小説の書き方を初心者向けに解説していきます。

「ミステリー小説や推理小説を書いてみたいけど、どうやってストーリーを作ればいいの?」

そんな悩みを持っている方に向けて、ミステリー小説の基本構造からプロットの組み立て方まで5つのステップに分けて書き方のコツを紹介します。

三雲ハル

初心者の方でもすぐに実践できる内容なので、ぜひ参考にしてください。

目次

ミステリー小説の書き方5ステップ!初心者が推理小説を書くコツ

ミステリー小説を書くためには基本的なポイントを押さえてストーリーを作ることが大切です。

ここからは、初心者でも迷わず書ける5つのステップに分けて解説していきます。

  • ミステリー小説の基本構造を理解する
  • 魅力的な謎とトリックを作る
  • キャラクター設定と動機を作り込む
  • プロットを組み立てる
  • 推理と解決の過程を論理的に書く

このステップに沿って書けば、スムーズにミステリー小説を作れるようになりますよ。

1つずつ詳しく解説していきます。

ミステリー小説の基本構造を理解する

ミステリー小説を書くうえで、まず大切なのは「基本構造」を理解することです。

どんなに魅力的なキャラクターやトリックを考えても、全体の流れがグダグダだと読者は途中で離脱してしまいます。

ミステリー小説の基本的な構成は、以下の5つの要素で成り立っています。

  • 事件の発生
    • 物語の核となる謎(事件・問題)を提示する
  • 捜査と推理
    • 探偵役が手がかりを集めたり、関係者を調べる
  • ミスリード
    • 読者に真相を勘違いさせるフェイクを仕込む
  • どんでん返しや意外な真相
    • 意外な真相や犯人を明かし、驚きを与える
  • 解決
    • 探偵役が真相を明かし、読者を納得させる

この流れを押さえることで、読者が最後まで興味を持って読み進めてくれる物語になります。

魅力的な謎とトリックを作る

ミステリー小説の最も重要な要素は「魅力的な謎」です。

推理小説であれば、探偵や読者を騙すために犯人が実行した「トリック」も重要です。

ミステリー小説の謎には基本的な3つの分類があります。

  • フーダニット(誰がやったのか):犯人
  • ハウダニット(どうやったのか):トリック
  • ホワイダニット(なぜやったのか):動機

これらは一つだけではなく組み合わせることもありますが、まずは1つ軸となる魅力的な謎を作りましょう

魅力的な謎づくりのポイントをいくつか挙げてみます。

意外性と納得感のバランス

「そういうことだったのか」と読者が驚きつつも納得できる展開を目指しましょう。

伏線を丁寧に張る

謎解きに必要な情報は前もって物語の中に自然な形で埋め込んでおきましょう。

読者をミスリードする

意図的に読者の視線を別の方向に向けさせる技術も重要です。

三雲ハル

ミステリー小説で大切なことは、読者が謎解きに参加できること。

読者が探偵と一緒に謎やトリックを推理しながら小説を読み進めていきます。

そのため伏線がなかったり納得できない真相だった場合は、がっかりさせてしまいます。

ただ、謎がストレートすぎてミスリードがなければあっさり謎を解いてしまうので拍子抜けします。

つまり意外性と納得感のバランスが大切なんです。

読了後にもう一度最初から読んで「ここに伏線があったのか」と納得できることがミステリー小説では重要なポイントです。

キャラクター設定と動機を作り込む

ミステリー小説のどんなに優れたトリックやプロットを考えても、キャラクターが薄っぺらいと物語は面白くなりません。

特に、推理小説の場合は以下の3つのキャラクターはしっかり作り込む必要があります。

  • 探偵役(事件を解決する人物)
  • 犯人(事件を引き起こす人物)
  • 被害者(事件の中心となる人物)

特に「犯人の動機」が不自然だと、読者は興ざめしてしまいます。

「お金が欲しかったから」というシンプルな動機だけではなく「被害者との因縁があった」など、背景にドラマを作るとリアルになります。

犯人や被害者が存在するような大きな事件がおきないミステリー小説でも、謎を解く主人公のキャラクターはしっかり詰めておきましょう。

プロットを組み立てる

ミステリー小説は単に事件が起こって解決するだけではありません。読者を飽きさせないプロット作りが重要です。

効果的なプロットの作り方として以下の方法が役立ちます。

  • 起承転結や三幕構成を意識する
  • 読者をミスリードさせる仕掛けを入れる
  • サブプロット(メインとは別の小さな謎)を絡める

たとえば、事件の解決と同時に探偵役の過去が明らかになるなど、複合的な面白さがあると物語に深みが増します。

詳しいプロットの作り方は後述する「ミステリー小説の書き方:プロットを作るコツ」見出しで解説しています。

推理と解決の過程を論理的に書く

謎やキャラクター、ストーリーの流れが決まったら「推理と解決の過程を論理的に書く」という最後のステップに移ります。

ミステリー小説の醍醐味は謎が解き明かされていく瞬間にあります。

読者が「なるほど!」と膝を打つような推理過程と解決を描くことで、物語の説得力と満足度が大きく高まるのです。

謎解きの過程を魅力的に描くためにまず大切なのは、論理的な筋道をしっかりと示すこと。

「なんとなく犯人がわかった」では読者は納得しません。

主人公がどのような情報や証拠から、どのような推理をして真相にたどり着いたのかを段階を追って明らかにしていきましょう。

  • 証拠発見
    • 床に落ちていた赤いボタンは被害者の服には付いていなかった。これは誰のものだろう?
  • 情報整理
    • 犯行時刻に現場にいた可能性があるのは3人。そのうち赤い服を着ていたのは…。
  • 仮説
    • もしAさんが犯人ならこのボタンの存在が説明できる。そうするとアリバイは?
  • 検証
    • Aさんのアリバイは友人の証言だけ。その友人の発言には矛盾があった。

このように、読者も一緒に考えられるような形で推理の過程を示すと読者は物語に引き込まれていきます。

三雲ハル

以上が「ミステリー小説の書き方5ステップ」です。
この流れに沿って物語を組み立てれば、初心者でもしっかりした推理小説が書けますよ。

ミステリー小説の書き方:プロットを作るコツ

ここからはミステリー小説のプロットの書き方を解説していきます。

  • 起承転結にフーダニットを加える
  • 三幕構成のミステリー
  • クライマックスで予想を裏切る
  • 書き出しで謎を転がす

起承転結にフーダニットを加える

物語の基本的な構成方法に「起承転結」と「三幕構成」があります。

三雲ハル

初心者は「起承転結」の流れに沿って進めるとミステリー小説を書きやすいと思います。

推理小説、特有の「フーダニット(Whodunit=誰が犯人か)」の要素を加えることで読者を惹きつけることができます。

まず、ミステリーの起承転結の流れを確認してみましょう。

段階内容
事件の発生。謎を提示し読者の興味を引く。
捜査や推理が進むが新たな手がかりや問題が現れる。
どんでん返しや決定的な証拠が見つかり犯人が浮かび上がる。
真相が明かされ事件が解決する。

ミステリ小説では、特に「転」と「結」の部分が重要です。

「転」でどんでん返しを仕込み読者を驚かせる展開を作ると面白さがグッと増しますよ。

基本的な起承転結のテンプレートは以下の記事で解説しています。

三幕構成のミステリー

「起承転結」だけではなく「三幕構成」もミステリー小説のプロット作りに役立ちます。

物語の構成方法として、映画では起承転結よりも三幕構成のほうがよく使われています。

3幕構成は以下の流れになります。

幕数内容
1幕事件の発生。探偵役が登場し捜査が始まる。
2幕捜査が進むがミスリードやどんでん返しがあり、謎が深まる。
3幕真相が明かされ事件が解決する。

「探偵役が最初に疑った人物は実は無実だったが、真相を知ると意外な人物が犯人だった」といった流れにすると読者は最後まで飽きずに読み進めてくれます。

三幕構成の基本は以下の記事で解説しています。

クライマックスで予想を裏切る

ミステリー小説の醍醐味といえば予想外の展開ですよね。

読者が予想していた展開をクライマックスでひっくり返すことで、「やられた!」と読後も印象に残る物語にすることができます。

読者の予想を裏切るには以下の3つの方法が効果的です。

  • ミスリードを活用する
    • 犯人らしくない人物を犯人にする、明らかに怪しい人物をシロにする。
  • ストーリーの流れを逆転させる
    • 事件の真相が途中でひっくり返るような展開を入れる。
  • 視点を変えて真相を見せる
    • 主人公が事件を追う視点を途中で変えると、意外な真相が浮かび上がる。

ただし、意外性ばかりを狙うと強引なストーリーになりがちなので伏線をしっかり張ることを忘れないようにしましょう。

書き出しで謎を転がす

ミステリー小説の書き出しは、読者をすぐに物語の世界に引き込むために冒頭から謎を転がしましょう

良いミステリーの書き出しには、いくつかのパターンがあります。

謎の提示型

いきなり読者を謎の渦中に放り込むタイプです。

例:私が目を覚ましたとき、手には見覚えのない血のついたナイフがあった。何が起きたのか、記憶がまったくない。

事件発生型

冒頭から事件が起きる緊張感あふれる書き出しです。

例:午後3時15分、校長室から悲鳴が聞こえた。誰もがあの瞬間を境に平和な学園生活が終わったことを悟った。

日常からの逸脱型

平凡な日常が突如として崩れ去る様子を描きます。

例:いつもと同じバス停でバスを待っていた。ただ一つ違ったのは、向かいのベンチに座っていたはずの老人が、昨日から姿を消していたことだ。

伏線型

後の展開につながる重要な情報をさりげなく紹介します。

例:岸本家の古時計は40年間一度も止まったことがなかった。それが、あの日突然止まったのだ。それはまるで、これから起こる不幸を予告するかのように。

読者に「続きが気になる」と思わせるような状況からスタートすると印象的な書き出しになります。

ミステリー小説の書き方:まとめ

今回はミステリー小説の書き方を初心者向けに解説しました。

  • ミステリーの基本構造を理解してプロットを組み立てる
  • 魅力的な謎とトリックを作り推理の過程を論理的に書く
  • クライマックスで予想を裏切る
  • 書き出しで謎を提示する

ミステリー小説を書くうえで大切なのは「読者が先を読みたくなるような謎を作ること。推理小説では斬新なトリックを作ることも大切です。

そのためにはしっかりとしたプロットを組み伏線を仕込み、キャラクターに深みを持たせることが重要になります。

エンタメの中でも人気ジャンルなので上手に書けるようになると小説家としてステップアップできますよ。

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この記事を書いた人

「物書きラボ」は、小説の書き方を初心者にもわかりやすく解説するサイトです。既存のノウハウだけではなく私が実践し試行錯誤を重ねた情報をお届けしています。

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