小説の結末の書き方を解説!最後の一文パターン5選

小説の結末の書き方を解説!最後の一文パターン5選

小説は結末をどう書くかで、読者に与える印象が大きく変わります。

三雲ハル

「途中まで面白く読んでいたのに終わり方でがっかりした」なんて小説、たまにありますよね。

特に最後の一文は余韻や読後感に影響する重要なポイントです。

そこで今回は結末の書き方の基本と、終わりの一文5つのパターン具体的な例文とともに解説していきます。

目次

小説の結末の書き方!解決と変化を描く

物語の結末では、読者の期待に応えるために「問題の解決」と「変化」をしっかりと描くことが重要です。ここでは、そのポイントについて解説します。

  • 問題や課題の解決を描く
  • 主人公の変化や成長を描く
  • テーマとの一貫性を保つ

それでは、詳しく見ていきましょう。

問題や課題の解決を描く

小説の結末で最も重要な要素のひとつが、物語の中で提示された問題や課題の解決を描くことです。

なぜなら、読者は物語を通して登場人物と一緒に問題解決に向けて感情移入しながら読み進めているからです。

そして、結末でその解決が描かれることでカタルスを感じ満足感を得られるのです。

この解決の仕方が曖昧だったり不自然だったりすると、読後感が悪くなり「つまらない小説」という評価をされてしまいます。

三雲ハル

夢オチや問題が解決せずに投げっぱなしで終わる小説は、途中まで面白くても呆れてしまいますよね。

たとえばミステリー小説では「犯人が捕まる」「事件の真相が明らかになる」といった形で問題が解決されることが一般的です。

読者は「犯人は誰なのか?」という謎に引き込まれて読み進めていきます。それなのに犯人がわからずに終わったら「なんだこれ!」と本を投げたくなりますよね。

これは極端な例かもしれませんが、問題が解決しないまま終わる作品はWeb小説で意外とありがちです。

主人公が好きな人に告白できないという問題を抱えたまま、結局悩むだけ悩んで告白せずに終了する。

葛藤する様子だけを描いても結果を描かなければ読者は満足してくれません。

必ずしもすべて解決する必要はありませんが、ストーリーのメインとなる問題は読者が納得できる形で解決していることを示す必要があります。

また、問題の解決が唐突すぎると読者に違和感を与えてしまいます。結末に至るまでの流れを丁寧に描くことで、より自然で納得感のある物語を作ることができますよ。

主人公の変化や成長を描く

主人公の成長や変化を描くことも、物語の結末で重要な要素のひとつです。

特に、成長物語やヒューマンドラマでは主人公がどのように変化し、最終的にどのような決断を下すのかが読者の関心を引きます。

たとえば、最初は臆病だった主人公が、物語の終盤で勇気を持って困難に立ち向かうようになるという流れは、多くの物語で見られるパターンです。

先に解説した「問題の解決」と「主人公の変化」は別々ではなく地続きになっています。

問題を解決した結果、どう変化したのか。

問題に立ち向かう中でキャラクターは成長していき解決するころには変化している。その過程を描くのが小説です。

読者が「このキャラクターと一緒に旅をしてきた」と感じられるような成長を描くことが、満足感のある結末につながります。

さらに成長が描かれることで、物語全体のメッセージ性が強まり読者の心に残りやすくなります。

どのような形で主人公が変化するのかを考えることが、より良い結末を書く鍵となります。

テーマとの一貫性を保つ

物語の結末が、テーマと一貫性を持っているかどうかも重要なポイントです。

テーマとずれた結末を書いてしまうと、読者は「結局何が言いたかったんだろう?」と混乱し、小説に対する印象がぼやけてしまいます。

三雲ハル

たとえば「友情の大切さ」をテーマにした青春小説を考えてみましょう。

主人公が、友人との誤解や対立を乗り越えて真の友情を育む物語だとします。

もし結末で、主人公が友情よりも自分の夢を優先し友人関係をあっさり断ち切るような展開になったらどうでしょうか?

読者は今までテーマに共感し感情移入して読んでいたのに、裏切られたような気持ちになりませんか?

テーマと一貫性を持った結末は、読者に「なるほど!」という納得感と感動を与え、作品全体の完成度を高めてくれます。

結末を書くときには、もう一度テーマを振り返り作品全体と矛盾していないか意識してみてください。

小説の結末│最後の一文パターン5選

小説の最後の一文は、読者の記憶に残りやすい部分です。最後の一文が印象的であれば、作品全体の評価も自然と高まっていきます。

ここでは、終わりの一文が思いつかないときに使えるパターンを5つ紹介します。

  • 未来を匂わせる
  • 冒頭につなげる
  • 象徴的な描写
  • 心情を語る
  • 場面描写で締める

最初の見出しで解説した基本を押さえながら結末を考えてみてください。

未来を匂わせる

鈴の音が響き渡る中、私は新しい教室のドアノブに手をかけた。ここからまた新しい物語が始まるのだ。

未来を示唆する結末は、読者の心に深い余韻を残すことができます。

小説としての物語は終わっても、登場人物たちの人生はまだまだ続いていくという希望に満ちた感覚を読者に与えることができるんです。

冒頭につなげる

冒頭:「あの日、窓辺に咲いていた一輪の白い花を私は今でも忘れることができない」

結末:「そうか、あの日の白い花はきっと私に教えようとしていたんだ。人生はいつだって新しく咲き始められるということを」

物語の始まりと終わりを繋げる結末は、パズルのピースがつながるような爽快感を読者に与えることができます。

ポイントは、冒頭の場面や言葉に「新しい意味」を持たせることです。

冒頭で「空は今日も青かった」何気ない一文から始まり、最後にその同じ言葉を使うとします。

物語を通じて主人公が大きく成長した後では、その「青い空」には新たな意味や深みが生まれているはずです。

象徴的な描写

散り際の桜が優しく彼の肩に降り積もった。

何かをメタファーのように使い、象徴的な描写で物語を締めくくると単なる風景描写以上の意味を持たせられます。

この最後の一文の面白いところは、直接的な説明を避けながら深い意味を伝えられることです。

上記の例文だと、単に桜が散っているという描写ではなく、別れや儚さ、そして新しい始まりといった複数の意味を持たせることができます。

心情を語る

やっと分かったんだ、本当の幸せとは何かを。

登場人物の心情を描写する最後の一文は、少し説教臭くなってしまうので何を語るか選択する必要はありますが、読者の心に強く響く力を持っています。

大切なことは、その心情が物語全体を通じての成長や変化を反映したものであることです。

唐突に心情を語り始めても共感してもらえません。

場面描写で締める

春風が桜の花びらを舞い上げ、新入生たちの歓声に混ざっていった。

場面描写で物語を締めくくる最後の一文は、まるで映画のラストシーンのように読者の心に鮮やかな印象を残すことができます。

私が特に好きなのは、上記の例文のようにその場面に季節感を織り込む方法です。

季節を表現することで、読者により豊かなイメージを持ってもらえます。

まとめ

小説の結末の書き方の基本と、最後の一文に使えるパターンを解説しました。

  • 結末では物語で提示された問題の解決を描く
  • 問題を解決した結果、主人公がどう成長したいのか変化を描く
  • テーマとの一貫性を持たせる
  • 最後の一文は余韻や読後感につながる重要な文章

結末の書き方に正解はありませんが、これらの終わり方を意識することで、余韻が残りより印象的な締めくくりを作ることができます。

大切なのは、物語全体の流れに沿った自然な結末を書くことです。ぜひ、あなたの作品にふさわしい結末を見つけてください。

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この記事を書いた人

「物書きラボ」は、小説の書き方を初心者にもわかりやすく解説するサイトです。既存のノウハウだけではなく私が実践し試行錯誤を重ねた情報をお届けしています。

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