小説を執筆するときには注意するべきNGポイントがあります。
小説がつまらないと思われてしまう原因には共通するパターンがあり、改善できれば物語をもっと面白く書けるようになります。
今回は以下の内容をお届けします。
- 前半で、執筆への取り組み方に関するNGポイント5つ
- 後半で、つまらない小説にありがちな特徴5つ
それぞれの改善策も解説しているので、より良い作品作りにお役立てください。
小説の書き方NGポイント!やってはいけないダメな執筆方法
作者が自由に発想して自由に文章を書く芸術作品なので、どんな書き方をしても問題ありません。
ただし、読者に楽しんでもらいたい、公募や新人賞に応募したいという場合には「つまらない」と言われないようにNGポイントを改善する必要があります。
まずは、執筆に対する取り組み方のNGポイントを5つ解説します。
- パクリやそのまま真似ること
- 文体や視点が統一されていない
- プロットや構成を決めずに書く
- キャラクターに一貫性がない
- 一度も推敲しない
パクリやそのまま真似ること
他の作品をパクることは小説を書く上で最もやってはいけないNG行為です。
他の作品を参考にしてアイデアを発展させるのもオリジナルとして認められます。
しかし「この作品、どこかで見たことあるような」そう思われたら、読者は離れてしまいます。
もちろん王道展開や人気ジャンルを取り入れること自体は悪くありません。でも、「他の作品とまったく同じ」だと、読者にとって魅力がなくなってしまうんです。
- 有名作品と同じ展開
- キャラの設定や関係性がテンプレ通り
- 舞台やルールがほぼそのまま
この状態だと「あなたの作品を読む理由」がなくなってしまうんですよね。
- 他作品のアイデアを取り入れるなら必ずオリジナル要素を加える
- この作品にしかない魅力を考える
- 複数の作品を参考にしてミックスすることで独自性を出す
文体や視点が統一されていない
「オレは剣を構えた。だが、敵はそれを見透かしていた。」次の瞬間、「彼は一歩後ずさり、恐怖を感じていた」。
このような文章を読むと「どっちの視点?」となりますよね。
一人称と三人称が統一されておらず混ざっていると、読者は混乱してしまいます。一人称で書いているのに主人公が知らない情報が出てくるのもNGです。
「彼女は密かに笑っていた」という描写は主人公が気づいてないなら、書かない方がいいですよね。
文体が一貫していないのもNGです。
前半では難しい言葉を多用して論理的に書いていたのに、後半ではポップでフランクな文章になっている小説。
自分なりの文体ができあがっていない初心者にありがちなことですが、統一しておかないと読者が混乱してしまいます。
- 同じ章で視点を切り替えない
- シンプルで分かりやすい文章を心がける
- 自分なりの文体を確立させる
視点ごとの書き方については以下の記事で詳しく解説しています。

プロットや構成を決めずに書く
プロットを作らずに書き始めてしまうのは、作品の方向性を見失う大きな原因になります。
「とりあえず書き始めてみよう」という気持ちは分かりますが、地図がない旅のように目的地に辿り着けない可能性が高くなってしまいます。

私も最初は「プロットなんて堅苦しい」と思って、思いつくままに書いていました。
でも結局、物語がまとまらずに途中で行き詰まることが何度もありました。この経験から今では必ずプロットを作るようにしています。
- 物語の要点だけでも決めておく
- 方向性と大まかな展開を決める
- とりあえず書くならまとめる時間を作る
基本的な起承転結だけでも決めておくといいですよ。詳しくは以下の記事で解説しています。


キャラクターに一貫性がない
キャラクターの性格が場面によって大きく変わってしまうのは、読者が共感できなくなるNGポイントです。
たとえば、普段は慎重な性格なのに何の前触れもなく無謀な行動をとったり、いつもは優しい人が理由もなく冷たくなったり。
そういった矛盾は、キャラクターのリアリティを失ってしまいます。
もちろん人間なので感情の起伏や成長による変化はあって当然で、物語は人間の変化を描くものでもあります。
でもその変化にも必ず理由が必要です。
「なぜそう感じたのか」「何がきっかけで変わったのか」を丁寧に描くことで、読者は違和感なくキャラクターの変化を受け入れられるようになりますよ。
- キャラクター設定を作り込む
- ぶれない価値観を1つ決めておく
- 変化するエピソードを考える
一度も推敲しない
書き終えた原稿を推敲しないのは、作品の質を大きく下げてしまう重大なNGポイントです。
どんなに慎重に書いているつもりでも、執筆中には気づかないミスや不自然な箇所は必ずあります。



それを改善するために何度も読み返して推敲することが大切です。
初心者の頃は「書き上げた」という達成感から、満足してすぐに投稿したり公開したりしてしまうことがあります。
でも時間を置いて読み返してみると「この展開おかしいな」「この表現もっと良い方法があるんじゃないか」と気づくことが多いんです。
小説は書き上げたら推敲して、ミスや不自然な点を修正して初めて完成させたと言えます。
- 客観的に推敲するために時間を置いて読み返す
- 印刷して読み返すと画面で見るのとは違った気づきがある
- 他人に読んでもらう
小説の書き方NGポイント!つまらない小説にありがちな特徴
ここからは小説の書き方のNGポイントを、具体的な内容に注目して見ていきましょう。
小説は書くだけでなく読んでもらうことも大切です。でも、読者が途中で飽きてしまう小説には、いくつかの共通点があるんです。
つまらない小説にありがちな特徴を5つ紹介します。
- 主人公が行動しない
- 脇役が棒人間
- 物語が進まないダラダラ展開
- 設定語りが多すぎる
- プロローグやポエムから始まる
主人公が行動しない
小説の主人公は物語の中心人物であるはずなのになぜか影が薄い。そんな小説は意外と多いです。
たとえば、脇役が活躍しすぎて主人公がただの「見守る人」になってしまうパターン。あるいは、主人公が受け身すぎて、ストーリーが勝手に進んでしまうパターン。
読者は「主人公を通して物語を体験したい」と思っています。
それなのに、主人公が決断せず行動もしない、ただ周りに流されるだけだと感情移入できずに楽しめません。
周りに興味がない冷笑系主人公に多い特徴なので注意してください。
- 主人公に物語を動かす理由を与える
- 重要な場面では必ず主人公の選択が影響するようにする
- 脇役が目立ちすぎないように調整する
主人公の作り方については以下の記事で詳しく解説しています。


脇役が棒人間
主人公の描写に力を入れるあまり、脇役の個性が全くない棒人間になっている物語は面白くなりません。
全ての登場人物には、主人公と同じように人生があり行動には動機があります。
ですがそれが描写から読み取れずに、物語を進めるだけのコマになっていないかチェックしましょう。
- 「敵は悪いことをする」という動機だけで動く敵
- 「主人公の味方」という役割しか与えられていない親友
- 「恋愛対象」以外の特徴を持たないヒロイン
こういった平面的なキャラクターが登場する小説は、どこか不自然で深みに欠ける印象を読者に与えてしまいます。
脇役を主人公にしても物語が作れるくらい設定を練り込みましょう。
- 脇役にも動機や価値観を設定する
- 背景や過去を考える
- 脇役も成長させる
ヒロインの描き方については以下の記事で詳しく解説しています。


物語が進まないダラダラ展開
「あと10ページ読めば面白くなる!」そんな小説、読者は最後まで付き合ってくれません。
ありがちなのは日常描写が延々と続くパターン。
目覚ましの音で目が覚めた。ゆっくりとベッドから起き上がる。カーテンを開けると朝の光が差し込んでいた。
よくある導入ですよね。でも読者にとっては退屈なシーンになりがちです。なぜなら朝の支度をするだけの場面は、物語を動かしていないから。
日常の風景を描くこと自体は悪くないですが、そこに「読者がワクワクする何か」がないとただの説明になってしまいます。
- 物語に必要な描写か意識する
- キャラの個性を際立たせるセリフや行動を入れる
- 先を知りたいと思えるような展開を意識する
無駄な描写と必要な描写をどう判断するかは以下の記事で解説しています。


設定語りが多すぎる
「自分の考えた世界観を細かく伝えたい」そういう作者の気持ちはよく分かります。
でも、小説は「設定を見せる場」ではなく「物語を語る場」です。
たとえば、異世界ファンタジーで「この国の歴史は200年前にポリック王が…。」と説明が長々と続くと、読者は置いてけぼりになってしまいます。
面白い小説は、設定を説明するのではなく物語を進める中で自然に読者に伝えています。
- 設定を説明するのではなくキャラの行動や会話を通じて伝える
- 必要な情報だけを必要なタイミングで出す
- 読者に伝えなくてもいい設定は書かなくていい
設定を自然に説明する方法は以下の記事で詳しく解説しています。


プロローグやポエムから始まる
「世界は儚く、夜の闇に溶けていく…。」
こういう意味深なプロローグから始まる小説って続きを読みたくなりますか?
ウェブ小説ではよくありがちですが出版されているプロの作品ではほとんどありませんよね。無意味やプロローグやポエムは読み飛ばされるので書く必要がないからです。
初心者が書く冒頭のポエムは、大抵はなんとなくオシャレな感じがあるけど、抽象的すぎて何が言いたいのかよくわからないだけなのでNGです。
- プロローグは短くわかりやすくする
- 最初の1ページで読者が興味を持つか意識する
- 主人公が何をする話なのか伝える
小説の書き出しについては以下の記事で詳しく解説しています。


小説の書き方NGポイント:まとめ
今回は小説の書き方NGポイントと、つまらない小説にありがちな特徴を解説しました。
- 他の作品のパクリ
- 文体や視点が統一されていない
- 構成を決めずに書く
- 登場人物の行動や性格に一貫性がない
- 推敲しないで完成させる
- 主人公が行動しない
- 脇役が棒人間
- ダラダラして物語が進まない
- 設定を語りすぎる
- 謎のポエムから始まる
小説がつまらなくなる原因は意外とシンプルです。読者が「先を知りたい!」と思う仕掛けがなければ、途中で読むのをやめてしまいます。
NGポイントを反面教師にしながら自分の小説を見直して、読者を惹きつける物語を作ってみてくださいね。