小説を書くとき、場面転換をどう表現するかで物語の読みやすさが大きく変わります。
ネット小説やラノベではアスタリスクなどの記号がよく使われますが、文章で時間経過を表現する方法もあります。
そこで今回は場面転換の書き方を7つ解説します。例文とともに紹介しているのでぜひ参考にしてください。
小説の場面転換の書き方7選!アスタリスクや記号以外の表現方法
小説を書くときに、場面転換をスムーズ行えると物語の流れを途切れさせずに読者を引き込めます。
つなぎが上手く行かずに分断されていると「今日はここまでにしよう」と続きを読むのをやめてしまうことはありませんか?
そう読者に思わせないために、上手な場面転換の書き方を7つ解説します。
- 記号やアスタリスク
- 改行で空白行を作る
- 時間や日付の表現
- 風景の変化で表現する
- 場所や移動の様子を表現する
- 成長や進歩で時間経過を表す
- アイテムの変化を描く
記号やアスタリスク
小説の場面転換の書き方1つ目は「記号やアスタリスク」です。
アスタリスクとは「*」という記号で、以下のように使われることがあります。
例文
彼は静かに目を閉じた。
* * *
翌朝、窓から差し込む陽光で彼は目を覚ました。
アスタリスク(*)や他の記号を使ったつなぎ方は、場面転換が視覚的に伝わるので読者にもわかりやすい書き方です。
特にネット小説やライトノベルではよく使われています。
文章で場面が変わったことを表現するよりもシンプルなのでわかりやすいですよね。
ただ、純文学や一般小説ではアスタリスクなどの記号が使われることは珍しく、一行空けや章タイトルで切り替える方が好まれることも多いです。
改行で空白行を作る
小説の場面転換の書き方2つ目は「改行で空白行を作る」ことです。
改行で場面転換を表現することもシンプルな方法として多く使われています。
例文
駅のホームは通勤客で溢れていた。電車を待つ人々の列が蛇のように延び改札から次々と新しい人々が流れ込んでくる。山田は時計を見ながら、焦りの表情を隠せなかった。
(空白行)
会議室の空気は重かった。遅刻した山田は、上司の冷ややかな視線を感じながら、静かに席に着いた。
一般小説だと記号を使うよりも空白行を作っているほうが多いです。
試しに本棚にある小説をいくつか読んでみてください。
明確に場面が切り替わるシーンで段落と段落の間に改行で空白行を入れることで、読者に「ここで場面が変わる」ということを伝えることができます。
簡易的な章分けのようなもので、視点が変わるときのもよく使われています。
ちなみに何行開けるべきかルールは決まっていません。基本的には1行開けるだけで問題ないでしょう。
時間や日付の表現
小説の場面転換の書き方3つ目は「時間や日付の表現」です。
変わった場面の時間や日付を文章で直接説明する方法で、物語の流れを整理しやすくなります。
例文
- 三日後、私たちは再び同じ場所で出会うことになった。
- それから一年が経過した。
「その日の午後、彼はついに決断を下した」や「数時間後」など短い表現を使うと物語のテンポを調節する効果もあります。
この方法は、読者に具体的な時間軸を伝えるだけでなく、物語のテンポを調整する効果もあります。「翌朝」「数時間後」などの短い表現も、会話の合間や描写の冒頭で使うとスムーズです。
風景の変化で表現する
小説の場面転換の書き方4つ目は「風景の変化で表現する」ことです。
季節が変われば草木の様子や気温など自然の状態が変わり、時間帯が変化すれば周囲の暗さや街の様子が変わりますよね。
それらを風景描写として描くことで場面転換をナチュラルに伝えることができます。
例文
- 銀杏の葉が黄金色に輝く季節になって、彼は久しぶりに古い部屋を訪れた。
- 街灯が次々と灯り始めたころ、小さな定食屋の前で足を止めた。
季節を表す自然描写や時間帯を象徴するアイテムを描写することで、時間経過と場面転換を表現できます。
情景描写を加えることで、単に場面が切り替わっただけでなく物語に深みを与えることもできますよ。
場所や移動の様子を表現する
小説の場面転換の書き方5つ目は「場所や移動の様子を表現する」ことです。
キャラクターが場所を移動する様子を具体的に描写すると、次の場面への移行がスムーズになります。
例文
彼は小道を抜け、見覚えのある古い建物の前にたどり着いた。
ただ、あまりにも具体的すぎるとしつこくなりテンポも悪くなります。一行で収まるようなシンプルな描写にとどめておくのが良いでしょう。
成長や進歩で時間経過を表す
小説の場面転換の書き方6つ目は「成長や進歩で時間経過を表す」ことです。
同じ日の午後や数日後ではなく、数年後など長期の場面転換に使える方法です。
たとえばキャラクターが修行を経て強く成長する展開がある場合。キャラクターの成長やスキルの進歩を描写することで、時間経過を表現できます。
例文
彼が弓を引く手にはもはや迷いはなかった。以前のように震えることもなく、的の中心を見据えるその瞳には確信が宿っていた。
「彼女の背丈はいつの間にか母を超えていた」のように容姿の変化を描くのもわかりやすく時間経過を伝えられます。
この方法だと、キャラクターの変化も読者に印象付けられるので感情移入しやすくなりる効果もあります。
アイテムの変化を描く
小説の場面転換の書き方7つ目は「アイテムの変化を描く」ことです。
さきほどの成長を描くに近いことですが、今度は人間ではなく道具の変化を描きます。
例文
- 机の上の花束は、今ではすっかり色褪せていた。
- かつて新品だった日記帳は、今では端が擦り切れていた。
アイテムの変化を描くことで時間経過を読者に伝えられます。
このときに物語の中で重要な意味を持つ象徴的なアイテムの状態変化を描写すると、より効果的です。
まとめ
小説の場面転換の書き方を7つ解説しました。
スムーズに場面転換できると、読者の集中を途切れさせずに読み進めてもらえます。
アスタリスクなどの記号や改行を使う方法は視覚的にもわかりやすいですが、区切りとして本を閉じやすくなります。
そのため文章で時間経過を表現できるようになると使い分けができて便利です。読者が夢中になる物語を作れるようにこの記事で紹介した方法を試してみてください。