小説のプロローグとは、本編の前に置かれる序章のことをいいます。
小説が始まる前に物語の背景やいきさつを教えてくれる部分です。たとえば映画の冒頭で「昔々、ある王国で」みたいなナレーションが入ることがありますよね。
「本編の予告編」みたいなもので読者の興味を引くための部分でもあります。
今回はそんなプロローグの書き方について具体的な例文で解説していきます。
- プロローグとは?文字数は短いほうがいい
- 書き方や必要な要素を例文で解説
プロローグではなく、本編の冒頭や書き出しについて知りたい方以下の記事を参考にしてください。
小説のプロローグとは?文字数や必要性について
まずは小説のプロローグとは何か、基本的な意味や役割について解説します。
そもそも必要なのか、書く場合は文字数をどれくらいにするべきかお伝えします。
- プロローグとは?
- そもそも必要なのか
- 文字数は短いほうがいい
プロローグとは?
プロローグとは、小説の本編が始まる前に置かれる導入部分のことです。
第1章が本編とすると物語の「序章」や「第0章」とも言えるでしょう。
わかりやすい例は、映画『スターウォーズ』のオープニング。
スターウォーズのオープニングでは毎回、印象的な音楽とともに宇宙のような背景を金色の字幕がスクロールしていきますよね。
そこには物語のバックストーリーや設定が書かれており、まさにプロローグです。
本編が始まる前に壮大な物語を演出してワクワクさせてくれますよね。小説のプロローグもそんな感じで、物語の「予告編」や「世界への招待状」として機能します。
映画の予告編を見て「面白そう」って劇場に足を運ぶのと同じで、プロローグは小説の世界にスッと入っていくための第一歩なんです。
そもそも必要なのか
小説のプロローグは必要なものなのでしょうか?
結論を言えば、プロローグは必要というわけではありません。むしろいきなり本編から始まる小説のほうが多いと思います。
プロローグを入れるかどうかは、物語の性質によって決めるといいでしょう。
特にファンタジーやSFのように複雑な世界観や設定がある小説の場合はプロローグが効果的に使えます。
たとえば「この物語は魔法が当たり前の世界で起こる」のように、基本ルールを読者に説明しておくと本編にすんなり入りやすくなります。
小説の中で複雑な設定を伝えようとすると、説明ゼリフになってしまったり冗長になるので、プロローグでさくっとまとめておくのがいいでしょう。
文字数は短いほうがいい
プロローグを書く場合、文字数は短いほうがいいです。
ここまで解説したようにプロローグは本編を読みやすくするための序章にすぎません。なくてもいいものなので、できるだけ短いほうがいいでしょう。
400文字程度で伝えるべき情報を簡潔に書けるなら、それくらい短くても問題ありません。
長くても3000文字くらいでまとめるほうが読みやすいでしょう。あまりにプロローグが長いと読者が本編に入る前に離脱してしまいます。
大切なのは必要な情報を過不足なく伝えられているかという点です。
読者に「早く本編に入ってほしい」と思わせないよう、簡潔なプロローグを目指しましょう。
小説のプロローグの書き方:必要な要素を例文で解説
- プロローグに必要な要素とは?
- ジャンル別の例文
必要な要素とは
小説のプロローグには、読者を物語に引き込むために書くべき重要な要素があります。
まず大切なのは「なぜこのプロローグが必要なのか」を明確にすること。単なる情報の詰め込みではなく本編を読むための期待感や好奇心を高める内容にしましょう。
効果的なプロローグに含めるべき要素は以下のとおりです。
- 世界観や時代背景
- 読者が物語の舞台を理解するための基本情報
- 重要な伏線
- 後の展開に繋がるヒントや謎
- 主要キャラクターの過去
- 現在の行動の動機となる出来事
- 物語の軸となる事件や状況
- 本編の根底にある問題
ただし、情報を詰め込みすぎると読者は消化不良を起こします。
「これだけは伝えたい」というポイントを2〜3つに絞り、簡潔に描写することが大切です。
読者の想像力を刺激するような余白も残しておくと「続きが気になる」という感覚を生み出せますよ。
プロローグの例文
ジャンル別にプロローグの例文を書いてみました。
- ファンタジー
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千年前、七つの王国が大陸を分け合っていた時代、世界は魔法の光で満ちていた。
人々は精霊と語らい竜は空を舞い魔法使いたちは自然の摂理を操ることができた。
しかし「闇の戦争」と呼ばれる大いなる争いの末、魔法は世界から失われ七つの王国は崩壊した。今では魔法は単なる伝説と化し、かつての栄光は古い歌や物語の中にしか残っていない。
だが、北方の小さな村で生まれた少女が十六歳の誕生日を迎えた時、彼女の周りで不思議な現象が起き始める。魔法が再び目覚めようとしていたのだ。
- 恋愛小説
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東京行きの新幹線の中、私は十五年前に別れた初恋の人からの一通のメールを読み返していた。
「もし良ければ、一度会いませんか」たったそれだけの文面なのに胸の奥がざわつく。あの日、なぜ別れることになったのか。言えなかった本当の気持ち。
そして今、私にはパートナーがいて彼にも家族がいるはず。
会うべきではないと分かっているのに返信ボタンを押してしまった私には、彼に伝えなければならない真実があったのだ。
- ミステリー・サスペンス
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古びた洋館の地下室で見つかった一冊の日記。表紙には「決して開けてはならない」と赤いインクで書かれていた。
考古学者の佐藤教授はその警告を無視し、黄ばんだページをめくり始めた。
日記の最初のページには、百年前に失踪した館の当主が記した不思議な暗号と、この館に隠された「時を超える扉」についての記述があった。
教授が解読を進めるうち館内では時計が逆回りに動き始め、姿を見せたことのない人影が廊下を行き交うようになる。
そして教授の研究室には、自分自身が書いたはずのない古い手紙が届き始めた。差出人は未来の自分だった。
プロローグの書き方は小説によって異なります。自分が好きな小説を参考に書いてみるのがいいでしょう。
その際にどんな要素が書かれているのか分析しながら読むとあなたの小説に活かせるようになりますよ。
小説のプロローグの書き方:まとめ
小説のプロローグとはなにか、意味や書き方を解説しました。
- プロローグとは本編の前に置かれる序章
- 世界観や設定を伝え読者を本編に導く
- かならずしも必要なものではなく書かなくてもいい
- 文字数は短いほうが離脱されない
小説にプロローグが必要かどうかは物語の構造によって判断しましょう。本編から始めても問題なければ削ったほうが読者にとって読みやすくなります。