今回は恋愛小説の書き方を初心者向けに解説します。
最初に、恋愛小説を書くために必要な3つのステップを紹介してから、それぞれの具体的なノウハウを解説していきます。
- 恋愛小説のテーマやストーリーを決める方法
- キャラクターを作るポイント
- 読者の心を動かす恋愛描写の仕方
適切なテーマ設定やストーリー構成、リアルな恋愛描写を意識すれば、初心者でも素敵な恋愛作品を作ることができますよ。
恋愛小説の書き方3ステップ!初心者向けの基本要素
「恋愛小説を書いてみたい!」と思っても、いざ書こうとすると「どうやって書けばいいの?」と悩んでしまうこともありますよね。
恋愛小説は、感情の動きが重要なジャンルです。
物語の中でキャラクターたちがどのように出会い関係を深め、そして恋に落ちるのか。その過程を読者が共感できるように描くことが大切です。
まずは初心者でも恋愛小説を書き上げられるように、3つのステップに分けて解説していきます。
- テーマやストーリーを決める
- 魅力的なキャラクターを作る
- 感情をリアルに描写する
テーマやストーリーを決める
最初に「どんな恋愛小説を書くのか?」というテーマとコンセプトを決めることが重要です。
これが決まっていないと、途中でストーリーがぶれてしまったり結末に迷ってしまったりします。
たとえば、以下のようにテーマを決めてみましょう。
- 幼なじみ同士の恋愛
- オフィスラブ
- ファンタジー世界の恋愛
- 切ないすれ違いの恋
コンセプトを明確にすることも大切です。
たとえば、「すれ違いと誤解を乗り越えて結ばれる感動的な物語」や「クールな上司とドジな部下のラブコメディ」など、物語の方向性をはっきりさせましょう。

テーマとコンセプトを決めることで、ストーリーの骨組みがしっかりして読者に伝えたいメッセージが明確になりますよ。
テーマが決まったら、具体的な物語を考えていきます。
初心者の場合は、基本的なストーリー構成として「起承転結」を意識してみましょう。
- 起:主人公と恋愛相手の出会い恋が芽生える
- 承:二人の関係性が発展していく
- 転:二人の間に試練やすれ違いが起こる
- 結:乗り越えて結ばれる、または切ない結末
恋愛小説の起承転結は上記のような構成が多いです。この基本構造を自分なりにアレンジしてオリジナリティのある物語を作ります。
起承転結については以下の記事で詳しく解説しています。


魅力的なキャラクターを作る
恋愛小説の魅力は、登場人物の個性や関係性に大きく左右されます。読者が「このキャラが好き!」と思えるような人物を作りましょう。
キャラクターを作るときに考えるべきポイントは以下の3つです。
- 外見:髪型や服装、話し方の特徴を決める
- 性格:優しい、冷たい、ツンデレなど個性を持たせる
- 過去や背景:なぜその性格になったのか、どんな経験をしてきたのか
特に恋愛小説では、主人公と相手役(恋愛対象)の相性が大切です。
「正反対な性格だけど惹かれ合う」「最初は反発しあっていたけど恋に落ちる」など、関係性に変化をつけると、より魅力的なストーリーになります。
キャラクターが魅力的だと、読者も感情移入しやすくなりますよ。
作者と性別が違う異性キャラの書き方は以下の記事で解説しています。


感情をリアルに描写する
恋愛小説では、キャラクターの感情をリアルに描くことが最も重要です。読者が共感できるような感情描写を意識しましょう。
感情をリアルに描写するために以下のような点を意識すると良いですよ。
- セリフを工夫する:直接的に「好き」と言わず、行動や視線で伝える
- 身体の反応を描写する:「心臓が高鳴った」「顔が赤くなった」など
- 比喩を使う:「彼女の笑顔は太陽みたいだった」
また、感情をリアルに描くためには「実際に自分が体験した感情」を思い出すのも効果的です。



ここからはそれぞれのステップについて具体的に掘り下げて解説していきます。
恋愛小説の書き方!テーマや設定を決める方法
恋愛小説を書くときに最も悩むのはネタやテーマではないでしょうか?
すでに多くの名作小説やドラマがあるなかで「どんな話を書けばいいのか」迷ってしまいますよね。
しかし恋愛小説はシンプルなテーマでも、キャラクターや設定の工夫次第で、無限のバリエーションが生まれます。
ここからは初心者でもネタに困らず、ワクワクするような恋愛小説のテーマを決める方法を解説します。
- どんな恋愛物語を書く?
- 読者層を意識して方向性を決める
- 実体験からアイデアを得る
どんな恋愛物語を書く?
まずは「どんな恋愛の物語を書きたいか」を明確にしましょう。
恋愛小説と一口に言ってもさまざまなタイプがありますよね。
たとえば以下のようなジャンルがあります。
- ピュアな初恋:学生同士の初々しい恋愛
- 大人の恋愛:仕事や人生経験を絡めた深みのある恋愛
- 禁断の恋:先生と生徒、義兄妹、不倫など、障害のある恋
- ファンタジー恋愛:異世界や魔法が絡んだ恋愛
- ラブコメ:笑えるシチュエーションが多めの恋愛
まずは、自分がどんな恋愛を書きたいか?を決めることで物語の方向性が見えてきます。
「自分が書いていてワクワクする」「こういう恋愛に憧れる」と思えるテーマを選ぶのがポイントです。
読者層を意識して方向性を決める
自分が書く恋愛小説の読者層を意識して方向性を決めましょう。
「誰に向けて書くか?」を考えることで、文章のトーンやストーリーの作り方が変わります。
- 10代向け:学園もの、ピュアな恋愛、キュンとする展開
- 20代向け:大人の恋愛、リアルな心理描写、仕事との両立
- 30代以上向け:落ち着いた恋愛、人生経験を絡めた物語
ターゲットを明確にすると、「どんな言葉遣いで書くか」「どんな展開がウケるか」も見えてきます。
たとえば、10代向けなら明るくテンポのいい会話が求められますし、大人向けなら落ち着いた文体のほうがしっくりきます。



読者層がわからない場合は、自分と同じ年代の人に向けて書くのがおすすめです。
なぜなら、その年代のリアルな感情がわかるから。自分が現役の学生なら学園ものが一番書きやすいですよね。
実体験からアイデアを得る
「テーマや設定を考えても、なかなか思いつかない…」というときは、自分の実体験からヒントをもらいましょう。
恋愛小説は、感情が大きなポイントになるので「自分が経験したこと」を取り入れると、リアリティのある物語になります。
- 昔、片思いしていた人との思い出をもとに書く
- 友人が体験した恋愛エピソードをヒントにする
- 自分の「理想の恋」をそのまま書く
実体験をそのまま小説にするのもいいですが、「もしあのとき、こうしていたら」と発想を広げてみましょう。
恋愛小説の書き方!キャラクターを作る3つのポイント
恋愛小説を成功させるカギは、読者が感情移入できる「魅力的なキャラクター」を作ることです。
ストーリーがどれだけ素晴らしくても、キャラクターが魅力的でなければ読者は物語にのめり込めません。
ここでは主人公や恋愛対象の相手、サブキャラの3つの視点から解説していきます。
- 主人公に感情移入できるようにする
- ヒロイン(恋愛相手)をどう描くか
- サブキャラの役割
主人公に感情移入できるようにする
恋愛小説では、読者が主人公に感情移入できるようにすることが大切です。
主人公の恋模様を追っていくストーリーなので、読者が「このキャラを応援したい!」と思えるようにならないと読み進めてくれません。
魅力的な主人公を作るポイントは以下の3つです。
- 長所と短所を両方持たせる
- 感情が伝わるエピソードを入れる
- 明確な目標を持たせる
たとえば「ドジだけど前向きな性格」「冷静だけど実は不器用」など、ギャップがあるとキャラクターが魅力的に映ります。
また、主人公が何かに悩んだり、成長したりする過程を描くと読者は感情移入しやすくなります。



大切なのは恋愛の結果ではなく「過程」を描くこと。
単に「可愛い」「かっこいい」だけではなく、内面をしっかり作り込むことで読者に愛される主人公になりますよ。
主人公の作り方は以下の記事で解説しています。


ヒロイン(恋愛相手)をどう描くか
恋愛小説では、主人公だけでなくヒロイン(恋愛相手)も重要なキャラクターです。
読者が「こんな人と恋してみたい!」と思うような相手役を作りましょう。
魅力的な恋愛対象を描くポイントは以下の3つです。
- 主人公との関係性を明確にする
- 特徴的なセリフや行動を入れる
- 読者に「この人の気持ちが知りたい!」と思わせる
「クールだけど本当は主人公のことを大切に思っている」「明るく振る舞うけど実は孤独を抱えている」など、奥行きのあるキャラにすると魅力が増します。
また「意外な優しさを見せる」「不器用な愛情表現をする」など、細かい描写を入れると、より読者を引きつけることができます。
ヒロインについては以下の記事で解説しています。


サブキャラの役割
恋愛小説においてサブキャラは主人公やヒロインを引き立てたり、関係性を変化させる大切な存在です。
脇役とはいえ、上手に活用すれば物語を盛り上げる大きな要素になります。
サブキャラの役割として、以下のようなものがあります。
- 主人公の良き相談相手(親友・先輩・家族)
- ライバルや邪魔者(元恋人・同僚・婚約者)
- 物語のヒントを与えるキャラ(先生・上司・占い師など)
「親友が主人公に恋愛アドバイスをする」「ライバルが登場して三角関係を作る」など、サブキャラを活用するとストーリーが面白くなります。



親友が実は恋の邪魔をしていたなどひねりを加えるのもアリです。
ただし、サブキャラを増やしすぎると話が散らばってしまうので、役割をはっきりさせることが大切です。
恋愛小説の書き方!読者の心を動かす描写テクニック
恋愛小説では、登場人物の感情をどれだけリアルに伝えられるかが成功のカギになります。
単に「好きだった」「ドキドキした」と書くだけでは読者に感情が伝わりません。
ここからは読者の心を動かすための、恋愛描写のコツを解説します。
- 書き出しで興味を惹く
- セリフで感情を伝える
- 読者に想像させる
- 恋愛シーンを書くときのNGポイント
書き出しで興味を惹く
恋愛小説の書き出しは、主人公と恋愛相手の関係性によって変わります。
- すでに出会っているのか
- 出会っているけど交際していない
- まだお互いの存在を知らないのか
- 過去の恋愛を回想しているのか
など、キャラクターたちの関係や恋愛模様の進行具合によって、冒頭の書き出しは様々なパターンがあります。
どのパターンでも共通して作るべきものは「続きが気になる」という興味付けです。
- 冒頭で「何かが起こる」ことを示す
- 会話で興味を引く
- 謎を残しておく
最初の一文が「彼の手紙を読んだ瞬間、私はすべてを悟った」だと、「何が書かれていたの?」と気になりますよね。
以下の例文のように情景や季節と合わせる書き出しも、関係性の変化が伝わりやすくなるのでオススメです。
四月の風が桜の花びらを舞わせる中、彼と初めて出会った。
最初の段階で「続きを読まずにはいられない」と思わせることが大切です。
小説の書き出しについては以下の記事で詳しく解説しています。


セリフで感情を伝える
恋愛小説ではセリフがとても重要です。
ただ「好き」と言わせるだけではなく、キャラクターの個性や感情の変化をセリフの中で表現することがポイントです。
読者層に合わせて表現する必要はありますが、繊細で詩的な表現が恋愛小説にはぴったりです。
好きよ、と言えたら簡単なのに。でも私の気持ちはそんな小さな言葉には収まらない。
「あなたのことを考えると、胸の奥で小さな風が吹くの」
少しくどいかもしれませんが、キャラクターの繊細な感情が伝わってきますよね。
また、感情をセリフの言葉だけでなく間の取り方や仕草で表現するのも効果的です。
細かい表現を加えることで、キャラクターの気持ちをよりリアルに伝えることができます。
読者に想像させる
恋愛小説では、キャラクターの感情をすべてを説明するのではなく読者に想像させることが大切です。
たとえば悲しい感情になっているキャラクターを描写する場面を例文で見てみましょう。
- 彼女はとても悲しかった。涙が出そうだった。
ストレートに悲しみが伝わりますが想像する余地がありませんよね。そこで以下のように表現するとどうでしょうか。
- 彼女は視線を落とし唇をぎゅっと噛んだ。手のひらをぎゅっと握ると小さく肩が震えた。
「悲しかった」とそのまま書くのではなく、その感情になったことで起こる変化を描くのです。
読者に想像させることで、キャラクターの感情をより深く感じさせることができます。
恋愛シーンを書くときのNGポイント
最後に、恋愛シーンを書くときに気をつけるべきNGポイントを紹介します。
- 突然の告白
- 感情の積み重ねがない告白は説得力がない
- ありきたりなセリフ
- 「君を守る」など、使い古された表現ばかりだと単調になる
- 感情の変化が急すぎる
- 「さっきまで嫌いだったのに、急に好きになる」と不自然に感じる
感情の変化や、関係性の変化が急すぎると読者は違和感を覚えてしまいます。
キャラクターの気持ちの変化が読者に伝わるように過程をしっかり描きましょう。
恋愛小説の書き方:まとめ
今回は恋愛小説の書き方を初心者向けに解説しました。
- テーマを決める:どんな恋愛を書くのか明確にする
- キャラクターを作る:主人公・相手役・サブキャラに個性を持たせる
- ストーリーを設計する:起承転結を意識して、読者が飽きない展開にする
- 恋愛描写を工夫する:セリフや心理描写をリアルに描く
- NGポイントに注意する:不自然な展開やありきたりなセリフを避ける
恋愛小説を書くためには、テーマやキャラクターをしっかり作り込み読者の心に響くストーリーを考えることが大切です。
感情移入して応援できるように心理描写をリアルに描くように意識しましょう。