SF小説の書き方!ありがちな設定7選と作り方のコツ

SF小説の書き方!ありがちな設定7選と作り方のコツ

「SF小説のアイデアはあるけど、どこかで見たような設定になってしまう」そんな悩みを持つ人は多いですよね。

本記事ではSF小説を書きたい人のためにありがちな設定を7つ紹介、そこから一歩抜け出すための面白い世界観の作り方を解説していきます。

この記事の内容
  • SFによくある設定7選
  • SF小説の書き方や世界観の作り方

ベタに一捻り加えるだけで、オリジナリティのある作品が作れるようになりますよ。

目次

SF小説の書き方!ありがちな設定7選

SF小説は現実離れした世界観が魅力ですが、多くの作品に登場するありがちな設定が存在します。

まずは、SFによくある7つの設定を解説していきます。

  • 人類滅亡後の荒廃した未来
  • AIが人間を支配する世界
  • タイムトラベルによる過去改変
  • 宇宙からの侵略者
  • 仮想現実
  • 超能力の覚醒
  • 巨大企業による支配と陰謀

人類滅亡後の荒廃した未来

SF小説にありがちな設定1つ目は人類滅亡後の荒廃した未来

争いや環境破壊などにより人類が滅びかけ、残された人々が生き延びるために戦う、この構図はSFの定番ですよね。

この設定の魅力はゼロから世界を作り直すロマンがあるところ。人間の強さや弱さ、希望や再生といったテーマを描けるのがポイントです。

この設定の中でもよくあるのが崩壊した都市をさまよう主人公、反乱組織と独裁者の戦いというパターンです。

もしこの設定を使うなら、滅亡の原因をユニークにしたり「再生後の社会の姿」を中心に描くと新鮮味が出ます。

たとえば、自然が人間を拒絶する世界やAIだけが進化した地球など視点をズラすのがコツです。

AIが人間を支配する世界

SF小説にありがちな設定2つ目はAIによる支配社会。人類が自分で作ったテクノロジーに支配される構図です。

このテーマの面白さは、創造主と被創造物という古典的な関係性にあります。でも、単にAIが敵になるだけでは古く見えてしまうことも。

たとえば「AIの方が倫理的で、人間が暴走している」という逆転構図にすれば一気に現代的になります。

AIと人間の共存を描くのもアリですね。

最近のトレンドでは感情を持ったAIが増えています。人間らしくなりすぎるAIが抱く葛藤を描くと、読者が共感しやすくなります。

タイムトラベルによる過去改変

SF小説にありがちな設定3つ目はタイムトラベルによる過去改変

これはSFの定番中の定番。過去に戻って歴史を変えたり未来を救う設定はいつの時代も人気です。

ただ、時間移動ものは矛盾がつきもの。安易にやるとタイムパラドックスにハマってしまいます。

コツは「なぜ過去を変えたいのか」という動機を深く掘り下げること。

時間旅行の技術より、主人公の想いを描いた方が読者に響きます。

時間が逆行する、並行世界が融合するなど時間の扱い自体を新しくする作品も増えています。

宇宙からの侵略者

SF小説にありがちな設定4つ目は宇宙からの侵略者

これも超王道テーマですよね。SF創作では、地球外生命体との関わり方が世界観の肝になります。

よくあるのは「人類vs謎の宇宙人」の二元構造。そこに価値観の違いた共感の難しさを加えると深みが出ます。

最初から敵対して戦い合うのもアリですが、平和的な交流や誤解から始まる物語の方が今の時代には響きやすいかもしれません。

たとえば、映画『メッセージ』のように言語を通じて異星人と心を通わせる話。あの静かな緊張感、最高ですよね。

異星人を鏡として「人間とは何か」を描く、これがSFらしさの真髄だと思います。

仮想現実

SF小説にありがちな設定5つ目は仮想現実

ここ数年で急増しているのが仮想現実(VR)」やメタバースを舞台にした世界観。

この設定の面白さは、現実と非現実の境界が曖昧になるところにあります。

ただ、安易にゲーム世界に閉じこめられるだけだと既視感が強いです。物語のテーマに「現実との向き合い方」を入れるとグッと深くなります。

たとえば、仮想空間が現実よりも幸せな社会とか。読者も考えさせられますよね。

超能力の覚醒

SF小説にありがちな設定6つ目は超能力の覚醒

ごくありふれた普通の人間だと思っていた主人公が、突然能力が目覚めるストーリーも定番です。

能力そのものよりも「その力をどう使うか」「社会がどう反応するか」を描く方が断然面白いです。

ありがちなのは、選ばれし者が世界を救う構図。そこを崩して、誰も救えない能力にしたりすると新鮮に見えます。

また、遺伝子や進化を科学的に説明すると説得力もアップ。設定を理屈づけできると作品の完成度が上がります。

巨大企業による支配

SF小説にありがちな設定7つ目は巨大企業による支配

最後は巨大企業が世界を支配するディストピア。近未来SFでよく見かけますよね。

監視社会、情報操作、遺伝子改変……こうした要素を絡めるとリアリティが増します。

このテーマは、現代社会の延長線にある怖さが魅力です。まるでニュースを見ているようなリアルな恐怖感。

ありがちになりやすいのは、悪の企業vs正義のレジスタンス構図。ここに企業の中の反逆者などの複雑さを加えると深くなります。

SF小説の書き方!設定や世界観の作り方

ここからはSF小説の書き方を解説します。設定や世界観を作るにはどうすればいいのか、コツをまとめました。

  • 現実の科学から想像を広げる
  • 世界観のルールを先に決める
  • ベタな設定にひとひねり加える
  • 感情と科学のバランスを取る
  • 社会構造や文化の作り込み方

現実の科学から想像を広げる

SFの面白さは非現実でありながらリアリティがあること。

現実の科学やテクノロジーをもとに「もしこうなったら?」と想像を広げていくことが大事なんです。

たとえばAIや宇宙開発など、実際に進歩している分野をリサーチするとありえそうな未来が見えてきます。

SF小説を好む読者は科学に詳しいので、根拠があるだけで一気に説得力がアップします。

科学的な説明が難しい場合は、仮説として描くだけでもOKです。

筆者的には「技術の進歩が人間の心にどう影響するか」をテーマにするのがいちばん響くと思います。

科学が進んでも、人間の弱さは変わりません。

SFは“科学”よりも“人間”を描くジャンル。そこを意識するだけで、物語が深くなりますよ。

世界観のルールを先に決める

SFの世界観は作者の頭の中にあるルールブックです。このルールを明確にしておくことで、読者が迷わず作品に没入できます。

たとえば「この世界では重力が半分」「AIは法律上、人間と同等の権利を持つ」など小さな設定でもいいんです。

ただし、そのルールは物語の中で一貫させてください。途中で矛盾が出るとリアリティが崩れます。

筆者がよくやるのは設定ノートを作ること。ルールや用語、時間軸や社会構造などをメモしておくと、物語全体に統一感が出ます。

ルールがしっかりしていると、どんな奇想天外な話でも納得できるSFに仕上がりますよ。

ベタな設定にひとひねり加える

前半で紹介したように、SF小説にはありがちな設定が存在します。

自分で小説を書いていると「これ、どこかで見たことあるな」という展開に陥りがち。

でも、ありがちな設定でもズラし方次第で新しくできます。

たとえば「AIが人類を支配する世界」なら、逆に「人間がAIに憧れている世界」にしてみる。

「タイムトラベル」なら、時間を戻すのではなく、借りる設定にするとか。

要するに読者が「そう来たか!」と感じる違和感を仕込むのがポイントです。

感情と科学のバランスを取る

SF小説で大事なのが感情描写です。設定や理論が完璧でも登場人物の心が動かなければ、読者も動きません。

科学的な設定は物語の背景であり、感情は動力。このバランスが取れると、物語の完成度が上がります。

宇宙と量子の話でも「親子愛」や「人間らしさとはなにか」といった普遍的なテーマを扱う。

SF小説を書くときは感情の流れを意識してプロットを作るのがおすすめ。設定が先に立ちすぎると、冷たい印象になってしまうので注意が必要です。

科学と感情、理屈と心。この2つを同時に走らせると共感できるSFになります。

社会構造や文化の作り込み方

最後は、世界観を支えるディテールづくりです。

社会の仕組みや宗教、経済や文化などの要素が整うと世界にリアリティが生まれます。

たとえば「遺伝子操作が当たり前の社会」なら、それに反対する人々がいて当然ですよね。

設定を作るときは、それに反対する人を想定すると自然に広がります

現実でもそうですが、完璧な社会構造やシステムは存在しません。必ずどこかに歪みが生じるので人々は不満を募らせていきます。

その結果、反乱や対立が生じてドラマが生まれます。

作り込みの深さが、読者を異世界に連れていく鍵になります。

SF小説の書き方!ありがち設定7選:まとめ

今回はSF小説の書き方やありがちな設定を解説しました。

よくある設定というのは、それだけ読者ウケが良いということでもあります。

私は「ありがちな設定は安心感」だと思っています。だから、そこにひと工夫を足すだけで読者に驚きを与えられます。

ベタを恐れずベタを進化させるという意識これが一番の近道です。

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この記事を書いた人

「物書きラボ」は、小説の書き方を初心者にもわかりやすく解説するサイトです。既存のノウハウだけではなく私が実践し試行錯誤を重ねた情報をお届けしています。記事内の例文は引用符で囲っているもの以外すべて自作したものです。

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