習作(しゅうさく)とは小説執筆スキルを向上させるために書く練習用の作品です。

今回は習作小説の基本や具体的な書き方、スキルアップのコツを解説します。
ただひたすら執筆を続けるよりも、効果的な練習にするために意識することや具体的な方法を紹介しています。
「いきなり長編を書くのはハードルが高い」と感じるならぜひ習作から始めてみてください。
書くことが楽しくなれば、自然と実力もついていきますよ!
習作小説とは?意味や取り組み方
小説を書きたいけど、いきなり300ページの長編を書くのはハードルが高くてなかなか筆が進まないという方も多いでしょう。
そんなときは習作を書いてスキルアップしつつ、執筆に慣れていくことがおすすめです。
まずは習作の意味や取り組み方をサクッとまとめます。
- 習作とは何か?
- 短編から始める理由
習作とは何か?
習作とは練習のために書く作品のことをいいます。「練習作品」を略して習作です。
プロの作家でも、最初から完成度の高い作品を書けるわけではありません。
アイデア発想から文章の組み立て、キャラクターの作り込みまで小説を書くためのスキルは数多く存在します。
習作ではそうしたスキルを試行錯誤しながら伸ばしていくことが目的です。
たとえば短いシーンだけを書いてみたり、特定の技法を意識した文章を書いたりとテーマを決めて取り組むことが多いです。
長編小説では途中で行き詰まってしまうこともありますが、習作なら短時間で試せるため創作のハードルがぐっと下がります。
短編から始める理由
習作を始めるならまずは短編小説から取り組むのがおすすめです。
長編小説はストーリー構成やキャラクターの成長など考えることが多く、途中で挫折してしまうこともあります。
その点短編小説なら「起承転結」の流れをコンパクトにまとめる練習ができるため文章力や構成力を効率よく鍛えられます。
また、短編ならすぐに書き終わるので「書き上げる」という達成感を味わうこともできます。
「最初は500文字」「次は2000文字」と少しずつボリュームを増やしていくと、無理なくスキルを伸ばせますよ。



習作はあくまでも「試行錯誤の場」、小説スキル向上のために気軽に書いてみましょう。
習作小説の書き方や練習方法
習作小説は、ただ書けばいいというものではありません。
「どんな練習をすれば小説がうまくなるのか?」を考えながら書くことで、より効率よくスキルを伸ばせます。
どんな習作を書けばいいのか果的な書き方や題材を解説します。
- 課題を決める
- 縛りをつける
- 童話風の物語を作る
- 日常を切り取る
- 会話だけで小説を書く
- 1つのシーンを別視点で書く
- SNSや小説投稿サイトで意見をもらう
課題を決める
「小説を書いているけれど、成長している気がしない…」そんなときはひとつひとつの習作に「課題」を設定しましょう。
普段小説を書いていてどうしても上手に描写できないシーンや、苦手なことがありますよね。
自分の弱点を克服するための課題を設定して1作書き上げてみてください。
- 男性視点ばかり書いているなら、女性視点で書いてみる
- 格闘シーンをテンポ良く描く
- 情景描写を丁寧に書く
小説を書いているときは、自分が書きやすい視点やシーンに逃げがちです。
普段書くことを避けているなどを課題にして書いてみましょう。
試行錯誤を重ねて課題をクリアしていくと成長を実感できて、小説を書くのが楽しくなりますよ。


縛りをつける
普段と違うスタイルで書くことも執筆スキルを磨くのに役立ちます。
たとえば以下のような縛りをつけると新しい表現方法を試せます。
- 1000文字以内で完結させる
- 「彼」「彼女」などの代名詞を使わずに書く
- 現在形だけで物語を進める
- モノローグ(独白)だけで構成する
こうしたルールを作ることで、表現の引き出しを増やせます。
縛りがあるからこそ工夫する力が身につくので、ぜひ試してみてくださいね。
童話風の物語を作る
童話は誰でも楽しめるようにシンプルな構成とわかりやすい言葉で書かれています。
そのため、物語の基本を学ぶのに最適な習作のひとつです。
「森の奥に住む不思議な動物」「願いを叶える魔法の石」など、ファンタジーの要素を入れると楽しく書けます。
大切なのは「簡単な言葉で分かりやすいストーリーを作る」こと。
子どもが読んでも理解できるような物語を意識してみると、自然と文章のわかりやすさが磨かれますよ。
日常を切り取る
小説の魅力は特別な物語だけでなく、何気ない日常のワンシーンにもあります。
普段の生活の中から題材を見つけてみましょう。
- 電車で隣に座った人が何を考えているか
- カフェ店員がこっそり誰かを見つめている理由
- 不思議なカップルの出会いを想像する
この練習では「情景描写」「感情表現」に重点を置くことがポイントです。
読者がその場にいるかのように感じられるような細かい描写を意識すると、文章がぐっと魅力的になります。
「特別なストーリーが思いつかない」というときも、身近な出来事を切り取るだけで素敵な習作になりますよ。
会話だけで小説を書く
小説の中で重要な要素のひとつが会話です。
登場人物のセリフを通じて性格や関係性、感情を伝えられますが上手に書くのはなかなか難しいものです。
この習作では会話だけで物語を進めることを意識してみましょう。
- 待ち合わせのカフェで、主人公と友人がケンカする場面
- 初対面の二人が電車の中で会話をする場面
セリフだけで情景や感情を想像できるように書いてみるのがポイントです。
キャラクターごとに話し方を変えることで、よりリアリティのある会話が作れるようになります。ぜひ、いろいろなシチュエーションで試してみてください。
1つのシーンを別視点で書く
小説は同じ出来事でも視点を変えることで、まったく異なる物語になります。
1つのシーンを複数の視点で書くことで発想力や描写の幅を広がります。
たとえばレストランで男性が女性に告白するシーンを描くとします。これを4つの視点で書き分けてみましょう。
- 告白する男性
- 告白される女性
- 店員
- 隣の席の客
それぞれの立場で思考や見えるものが変わってきます。男性視点で描くと恋愛小説なのに、店員視点で描くとサスペンスが生まれるかもしれません。
1つの出来事を多面的に描くことは発想力や文章力など小説家としてのスキル向上に役立ちます。
SNSや小説投稿サイトで意見をもらう
習作を書きあげたら、SNSや小説投稿サイトで発表してみましょう。
私自身、最初に習作を公開するのはとても緊張しました。
「下手だと思われたらどうしよう」「誰にも読まれなかったら悲しい」と不安でしたが実際に投稿してみると意外と反応がもらえるものです。
ちょっとした感想でも「読んでもらえたんだな」と思うと嬉しくなります。
SNSでは同じように創作をしている人と交流できるのも魅力です。
「こういう書き方もあるんだ」と気づかされたり他の人の作品に刺激を受けたりすることが増えます。
あくまでも練習なので、気軽な気持ちで自分の習作を投稿してみるのもいいかもしれません。
習作小説とは?効果的な書き方:まとめ
習作小説とは何か、書き方のポイントを解説しました。
- 習作とは練習のために書く作品のこと
- 課題や縛りを設定して短編を書き上げる
- 題材は課題にあわせて選ぶ
習作小説は気軽に書けるのが一番の魅力です。
最初から完璧なものを書こうとしなくても大丈夫!気にせずどんどん書いていきましょう。
書けば書くほど自分の得意なジャンルや表現方法が見えてくるはずです。まずは楽しむことを大切にしながら積み重ねていきましょう。
練習には以下の記事で紹介しているワンドロ小説もおすすめです。

